点字ブロック上に自転車、ケガ 心の「バリアフリー」呼びかけ
【東近江】 玉緒小学校(北崎あゆみ校長、児童数207人)で11日、先天性の全盲で、盲学校の音楽教諭を務める辻本実里さん(28)を講師に迎え、誰もが安心できるまちを考える全校集会が開かれた。
「白杖」(はくじょう)で足元の障害物を確認して歩いても、顔の高さで車のミラーが点字ブロックから突き出ていると、顔から突っ込んでしまったり、点字ブロックの上に車や自転車が停まっていたり、人が立っていたりして、怖い目をしたことがあります」。視覚障害者への思いの至らぬ行為によって大けがをする危険性に、児童に驚きの表情が広がった。
辻本さんは、3歳から高校卒業まで盲学校で学んだ。音楽との出会いは、小学校入学前に習い始めたピアノ。先生の手本を聴いて耳で覚え、忘れないように録音したCDを自宅で何度も聴いて覚えた。
点字楽譜に出会ったのは小学3年生の頃で、先生が音符を教えてくれたり、歌を教えてくれた。しかし、好きなことでも、つらくなる時期もあった。
それは音大でのミュージカルやオペラの授業。全盲のため、歌いながら動く表現が難しく、どのくらい歩けばよいのか、ステージから転落しないか、足がすくんだ。
そんなとき救ってくれたのが、周囲の親切だった。ステージの所定の位置に連れて行ってくれたり、客席側へ体を向けてくれた。
一方で街中には、点字ブロック上に車や自転車を停めるなどのマナー違反が見られる。「盲導犬といる人や白杖を持っている人に障害物があることを伝えたり、『お手伝いしましょうか』と声をかけてくれるとありがたい」と呼びかけた。
続いてピアノ伴奏にあわせて、「きよしこの夜」などを独唱で披露し、このあと全員で「ビリーブ」を合唱して一体感を楽しんだ。
児童は「きれいな歌声で、近くで聴くともっとすごかった」「道で目の不自由な人に出会ったら道案内をしたい」などと話していた。
辻本さんは集会を終え、「私の歌声でみなさんが希望と元気をもってもらえればうれしい。視覚障害の見え方は全盲や弱視など色々あることや、声かけの仕方を知ってもらえたら」と語った。






