高齢者の居場所どう守る 地域コミュニティの一翼目指す
【東近江】 高齢者が地域社会のなかでいきいきと暮らし、健康で豊かな生活を送る場の一つに、各地区の老人クラブがある。健康増進や仲間づくりなど交流活動のほか、防犯や清掃活動など地域の役割も大きい。しかし、高齢者人口が増加を続ける一方で、地域の老人クラブは会員数の減少に直面し、多くの老人クラブが運営方法を模索している。東近江市能登川地区老人クラブ連合会の北崎富三会長は「高齢者が元気で地域に関わり続けるためには、クラブの存在が欠かせない」と語る。(古澤和也)
老人クラブは、地域を基盤として活動するおおむね60歳以上の高齢者からなる自主的な組織とされる。かつて地域の交流拠点として活発化した老人クラブも、世代交代とともに会員の高齢化が進み、新規加入者の確保が課題となっている。役員を担う人材も限られ、活動を維持できずに休止や解散に追い込まれるクラブも少なくない。東近江市内の高齢者人口が微増の反面、東近江市地区老人クラブ連絡協議会ではここ5年で会員が4割ほど減少している。
このような背景から、東近江市は昨年12月、東近江市地区老人クラブ連合会に属する5クラブ(八日市、永源寺、湖東、能登川、蒲生)の会員を対象に、活動の現状や意識調査を知るためのアンケートを実施した。設問には、「会員減少の要因として考えられるもの」「会員減少で運営の支障になっていること」などが挙げられた。
減少の要因として返ってきた回答には「就業年齢の延伸で新規加入が少ない」「役員が当たるために入会拒否」など役員のなり手不足による活動の縮小が目立った。また、会費収入の落ち込みが運営を圧迫するなど財政面の厳しさを訴える声も多かった。
会員減少や運営の維持が難しくなる一方、高齢者の健康維持や社会参加、地域のつながりを維持していくなかで、老人クラブの果たす役割は大きい。各老人クラブでは、組織の存在意義を確かめようと新たな取り組みを独自で展開している。能登川地区老人クラブ連合会では個人会員制度の導入や、市やまちづくり協議会など地域団体との連携強化を進めている。
「地域の元気は高齢者から。時代に合った柔軟な形で、誰もが参加しやすいクラブをめざしたい」と同連合会の北崎会長は語る。9月には「体を動かす日」と題して歴史探索のウォーキングイベントを新しく実施した。参加者も「皆で楽しいひとときを過ごすことで、地域全体の健康増進にもつながっていく。これからもこういう取り組みが続いてほしい」と笑顔で健脚を走らせていた。このほか、カラオケやレコードカフェ、映画会などを地域団体と連携して開き、男性・女性ともに楽しめる企画で親交や健康づくりに役立てている。
現代の高齢者は現役で働く人も多い。多様な価値観や生活スタイルがあり、従来型の活動には参加しにくい面もある。そんな中でも老人クラブでしかできない価値を見出して居場所づくりを創出し、地域コミュニティを形成していこうと取り組んでいる。
北崎さんは「老人クラブ存続の危機は、地域コミュニティ全体の課題」と強調する。高齢者の居場所や健康づくりを地域全体で取り組む仕組みづくりが、今あらためて問われている。






