滋賀県平和祈念館の企画展示
【東近江】 東近江市下中野町の県平和祈念館は、第38回企画展示「戦争を描く」を開催している。6月21日まで。
日中戦争・太平洋戦争時、戦争に関する絵画を描いたのは従軍画家だけでなく、子どもたちも軍事教育の影響を受けて絵画や絵日記を残している。
まず始めに紹介するのは、軍部が戦地に派遣した従軍画家の作品。絵画は、写真や映画以上に戦場を美化でき、国内の人々の戦意を高めた。
旧栗太郡大宝村(現栗東市)出身の西田恵泉(1902~1980年)は、1943年(昭和18年)8月から半年間、フィリピン・ルソン島に従軍し、約50点の絵画を残した。
展示されているのは、葉っぱでカモフラージュした兵士や南方の戦場へ向かう艦船を描いた絵画など。西田は晩年、「戦争を経験していない若い人たちにその恐ろしさを訴え、不再戦の誓いを立てたい」と語っていた。
また、子どもたちの絵画教育では、絵の題材は戦車や戦闘機などが好まれ、軍事教育を進める学校側の意図に沿った絵を描くと優秀な成績がもらえた。
当時、国民学校(小学校)に通っていた武田倫江さん(長浜市)は、軍用機から降下するパラシュート部隊の絵を描いた。「もう、お国のためにと頭にこびりついていたから、軍艦の絵とか飛行機の絵を描いたら、先生は二重丸をくれるんです」と証言を残している。
1944年(昭和19年)秋から1年間、大阪市から東近江市へ学童疎開していたイラストレーター成瀬國晴さんが疎開当時を描いた作品は77点。学童疎開の様子を伝える資料は少なく、当時を知るうえで貴重な資料だ。
足にできた霜焼けを治療してくれた住民のやさしさ、食料にするためトノサマガエルやイナゴを捕まえにいった日常のほか、米軍機が宿舎近くに墜落した直後の状況を描いたイラストは、落下した機体にたくさんの住人が取り巻く様子が描かれている。
田井中洋介学芸員は「戦争に関する絵画を通じて、様々な人々の思いを感じ取ってほしい」と話していた。
入館無料。休館は月・火(祝日は開館)。問い合わせは同館(TEL0749―46―0300)。






