絵本制作を語る
【東近江】 児童文学作家の富安陽子さん(66)による講演会がこのほど、能登川図書館で開かれた。「本は不思議の扉」をテーマに、創作活動や絵本づくりへの思いなどが語られたほか、富安さんによる絵本の読み聞かせもあり、その世界に親しんだ。
東京都出身の富安さんは、『やまんばのむすめ まゆのおはなし』シリーズなど、妖怪や昔話に登場するキャラクターなどをユーモラスに表現するなど、子どもたちの好奇心や興味をかき立てる多数の絵本を残している。これまで数々の賞を受賞し、現在は大阪国際児童文学振興財団の理事長も務めている。
今年デビュー40周年を迎えた今回の講演会で富安さんはまず、「読者が成長することが、子どもの本と大人の本の大きな違い」と説明し、「常に子どもに届く言葉を探している」と、子どもたちが理解できる言葉や文章など創作の工夫が語られた。
人気の絵本『まゆとかっぱ』の読み聞かせも行われ、絵を手がけた降矢ななさんとのエピソードも紹介。キャラクターの位置や表情の変化など、子どもたちが読んで違和感が生まれない細部への工夫も伝えられた。
富安さんは「子どもは物語の隅々まで見ている」と話し、「本気で楽しみながら作らなければ子どもの本は作れない」と強調。また、夢に出てきたエピソードを物語に反映させたことも語られ、参加者の関心を集めていた。
「物語は人を楽しませるホラのようなもの」と、創作の原点ともなる幼少期に家族から聞いた妖怪の話を挙げ、最後に、父の死をきっかけに生まれた絵本『さくらの谷』を読み聞かせ、会場を感動に包んだ。







