県政NOW 「8がけ社会 賢く縮む行政サービス」
高齢化がさらに進む2040年、社会を支える働き手は益々必要となるのに、現役世代は現在の8割となる「8がけ社会」となると言われています。
公共施設を解体し、機能をまとめる「賢く収縮するまちづくり」を掲げて注目されている町があります。
岡山県美咲町は、昨年、老朽化で解体した旧庁舎から、まるで物流倉庫のような鉄骨2階建ての新庁舎に移転しました。外壁はグレー一色の鋼板が打ち付けられ、職務スペースは3割減らし、整備費用は当初計画から4割削減しています。
あえて鉄筋コンクリートにしなかったのは「いつか解体する時に大きな費用がかからないためだ」と担当者は説明しています。
新庁舎が象徴するのが「賢く収縮まちづくり」の方向性だと気づかされます。
2018年に就任した町長は、後世に負担を残さず、持続可能なまちづくりを進めることを基本に据え、町財政を堅持するには3町合併時に残されたハコモノの維持管理費を半減する必要に迫られ、そのために町は「施設カルテ」を作成し、役場庁舎から公衆トイレまで70棟余りの維持管理費を算出しました。
それに基づき住民との対話を通じて施設の集約化と再配置の計画を練って2024年度に既存施設の解体に着手し68棟を解体し、8施設を民間に売却しました。
既存施設の解体に伴い新庁舎の隣には図書館や公民館が入る生涯学習センターを建設し、その隣に物産センターを設けて分散していた機能を集約したことで、利用者数は図書館で4倍、公民館は7倍、物産センターの売り上げは3割増しとなったそうです。
町長就任前は「森の奥に一軒でも家があれば橋を架けて道路を通すのが政治だ」と思っていたが、現在では「人口減少時代には、広げた風呂敷をうまく畳み、賢く収縮することで未来への投資に回せる」と見方を変えたとのことです。
岡山県美咲町の取組から「8がけ社会」を迎えて今まで通りが通用しなくなる未来に対する得難い教訓や学びとなるのではないでしょうか。






