南極最高峰登頂の佐々木司さん 報告会
【東近江】 今年1月6日に南極大陸の最高峰、ビンソンマシフ(標高4892メートル)の登頂を果たしたアウトドアガイドの佐々木司さん(50)=東近江市永源寺高野町=による報告会が21日、愛東コミュニティセンターで開かれた。地元住民ら約200人が参加し、極寒の地での生活や心境、有意義ながらも過酷な挑戦の日々に耳を傾けた。
佐々木さんは、2012年に開かれたアウトドアのスポーツイベントに参加したのを機に登山を始め、その後、出身の大阪府から滋賀県東近江市に移住。17年に鈴鹿10座エコツアーガイドクラブに所属し、現在は、東近江市布引の森に勤務する傍ら、アウトドアガイド業「アウトドアステーション まほろば」を同市で運営しながら登山活動に励んでいる。
19年にヒマラヤ・ヤラピーク(5520メートル)、22年にヒマラヤ・アイランドピーク(6180メートル)、24年にヒマラヤ・マナスル(8163メートル)の登頂を果たすなど、ヒマラヤ登山を経験。今回、遠い目標でもあった南極大陸最高峰ビンソンマシフへの登山は、同登山を予定していた知人が事故で急死したことを受け、佐々木さんが渡航を引き継いだ。南極大陸渡航をプランする会社を介して昨年12月26日に日本を発ち、米国ロサンゼルスと南米チリの都市サンティアゴ、プンタ・アレーナスを経由して飛行機で南極大陸に入った。
報告会では、食事や娯楽など設備が整った拠点での生活や、白夜のなか南極の氷を溶かした水で書き初めを行い、新年を祝った貴重な体験などが語られた。その後、マイナス30度に達する気温と湿度がほぼゼロという極限の乾燥地帯の中で目指す登頂までの道のりを振り返った。
佐々木さんは外国籍のメンバー3人とガイド1人の計5人のグループで1月3日、飛行機でベースキャンプ(2140メートル)に入り、約6時間歩いてローキャンプ(2740メートル)へ。道中、最も困難を極めたのはローキャンプからハイキャンプ(3700メートル)に続く急斜面の1・2キロだったという。
目に入る雄大な景色を肌に感じる一方、「足元は踏み跡の残らない硬い氷で、ヒマラヤ登山とは違い困難。風も強いが、動くことで汗をかく。太陽の日陰にならないようルートを辿るなど、寒さと暑さの戦いだった」と伝え、また、「世界から集まった登山家たちと同じペースで登ること、コミュニケーションが大変だった」と困難を振り返った。
その後、1月6日に山頂に到達。今回は代理登山という経緯もあり、当初は自問自答を繰り返していたという。しかし、「現地での判断はすべて自分。これは紛れもなく自分の経験だ」と確信するに至った経験も語った。
「夢は自発的なものだけでなく、他人の縁から生まれることもある」と話した佐々木さん。最後に、東近江市にゆかりのある南極観測隊員の西堀栄三郎氏の言葉を引用し、「夢を持ち続け、チャンスをつかめる準備をしておくことが大切」と伝えた。






