上野氏不出馬で切り札失う 26日の役員会 大荒れの雲行き
【全県】 県知事選(6月18日告示、7月5日投開票)に向け、4選を目指して立候補を表明している三日月大造知事に対抗して、自民党県議団(代表・川島隆二県議)は独自候補の擁立を目指してきたが、今月16日の同県議団会派総会で県議の奥村芳正・県連幹事長から「独自候補擁立が極めて困難になった」との現状報告があった。この26日の同党県連役員会で、独自候補の擁立断念が決まれば、前回、前々回の知事選と同様に三日月知事の支援に回って、与野党相乗りになる公算が一挙に高まりそうだ。(石川政実)
16日の県議団会派総会では「上野賢一郎・厚生労働大臣に振り回されてしまったのではないか」との批判が奥村幹事長や川島代表に浴びせられた。
ちなみに同党県議団は3月19日、2月定例県議会閉会に伴う記者会見を開き、知事選への独自候補として「5人以下」に絞って検討していることを明らかにしたが、実際は上野氏一人だけが焦点だった。
上野氏はかねてから知事選に強い意欲を示していた。ちなみに同氏は2010年の知事選で当時現職の嘉田由紀子・参院議員と戦って、ダブルスコアで嘉田氏に惨敗しただけに、名誉挽回の思いがあったのかもしれない。
しかし同氏は昨年10月、第一次高市内閣で厚労大臣に就任したことで、県連幹部らは「これで上野氏の知事選出馬はなくなった」と肩を落とした。だが、火種は残っていた。
昨年12月ごろ、「上野氏の知事選への意欲はまだ消えていない」との噂(うわさ)が県選出の国会議員の間からも聞こえるようになった。
県連幹部によると上野氏から「3月まで熟慮中」との答えが返ってきたという。しかし上野氏は本紙に「それは記憶にない」と話している。
「脈はある。三日月知事を倒せるのは上野氏しかいない」との思いが県連幹部に強まっていった。
上野氏は3月末の本紙取材に対し「高市内閣の閣僚としての仕事を遂行することしか頭にない。知事選は考えていない」と明言した。
奥村幹事長によれば、今月12日に東京で行われた定期自民党大会に出席した小鑓隆史・県連会長(参院議員)が、党本部の西村康稔選対本部長に「上野氏をはじめ、県選出の参院議員らを知事選の独自候補として擁立することについて了解してもらえるか」と打診したところ、「上野氏は現職閣僚として重要ポストにあり無理だ。参院議員についても、これ以上、議席を減らすわけにはいかない」と、いずれもノーの返事だったという。
このため奥村幹事長は「他の県選出の衆院議員も知事選出馬の意志はなく、この時点で独自候補擁立の望みはほぼ絶たれた」と意気消沈する。
そして今月16日の県議団総会での報告になったわけだが、県議の一部からは「支持者の間では高市内閣の支持率が高い中、独自候補擁立をしてほしいとの声が依然として根強い」との主戦論が出た。
その一方で「来年の統一地方選のためにも、知事選は絶対に負けるわけにはいかない。この意味でも独自候補擁立は、慎重であるべき」との意見があった。
長浜市の川島代表は「県内全域では、私の知名度はまだまだ低いと認識しており、知事選に出馬するつもりはない。むしろ県議選に全力を注ぎたい」と述べた。
奥村幹事長は「県議団の会派総会には7人が欠席したため、21日に県議団会派総会を再度開いて、独自候補擁立断念の是非を討議し、26日の県連役員会に臨むことになる。独自候補擁立が断念になれば、三日月知事支持に回るか、自主投票にするしかない」と話した。
中堅県議の中では「自主投票にして三日月県政への主導権を手放すよりも、三日月知事の支持に回り、交通税など政策面で要望して、“名より実”を取るべきだ。知事選よりも統一地方選に全力を注ぎ、議席拡大に努めることの方が大事」という声が多くあった模様である。
26日の県連役員会では、主戦論が多いとされる市議や町議らをどう説得できるかが焦点になりそうだ。
また同役員会では、小鑓県連会長や奥村幹事長、川島代表らの責任問題が俎上(そじょう)に上る可能性は否定できない。






