「住民の合意」が「市の了解」にすり替る RD問題 真価問われる嘉田知事(22)
◇湖南・栗東市
十五日に開催された県議会環境・農政常任委員会(辻貢委員長)では、RDエンジニアリング処分場問題が審議されたが、委員の間からは「これまで県は議会に対し、対策工法の基本方針として、周辺七自治会の合意と納得を取りつけるとしていたのに、ここにきて栗東市の了解を取りつければいいと一方的に方針を転換したのは騙(だま)しではないか」と県の強硬姿勢に批判が相次いだ。【石川政実】
「こんな癖の悪いやり方はおかしい。議会軽視であり、今後も(住民や議会を)だまし続けるつもりか」と自民党・湖翔クラブの吉田清一議員らは、県の強硬な姿勢に不快感をあらわにした。
これに対し、「決して方針を転換したものでない」と県は弁明を繰り返すばかりだった。
県はこれまで、県議会に対し、対策工法については周辺七自治会の合意と納得が原則と説明してきた。だが県の対策工法は処分場の周囲を遮水壁で囲う案だけに、有害物撤去を求める住民らは猛反発。 この結果、十五日現在で県の対策工法に同意しているのは北尾団地自治会だけとなっている。上向自治会など五自治会はいずれも「不同意」で、その大半が市の諮問機関である市調査委員会が提言した“有害物除去と粘土層修復案”を支持している。
このため県は「七自治会の合意が得られなくても、市の同意があればいい」と議会や常任委員会での答弁をこともなげにひっくり返し、委員から批判を浴びた。
一方、民主党・県民ネットの今江政彦議員は、県が金科玉条にしているセメントと土を混ぜる遮水壁では、RD処分場内にセメントが劣化しやすい「硫酸イオン」などの化学物質が大量にあると見られるだけに「本当に大丈夫か」と質したところ、上田正博・県最終処分場特別対策室長は「土を入れ替えてつくるので、化学物質とは接触せず、劣化しない」と言い切った。しかし、それは困難な工事になるのは必至で、例えできたとしても、すぐに汚染され劣化する不安は払拭(ふっしょく)できない。
また、粘土層修復案は県の原位置浄化案よりも事業費がかからないとしている市調査委員会の横山卓雄委員長を委員会に招致すべきとの意見も出された。
さらに民主・県民ネットの青木愛子議員が「住民のことを思えば、やはり処分場の有害物は取り除くべき」と質すと、上田室長は「処分場の有害物は、環境基準の二倍ほどに過ぎず、多大な経費で対策する必要などない」と断定した。
しかし同委員会を傍聴した住民団体「飲み水を守る会」の高谷順子事務局長は「県の昨年の調査でも、処分場の地下水でダイオキシンが環境基準の三十二倍も出ており、これは全国でもトップレベルなだけに、上田室長の『環境基準の二倍に過ぎない』という発言は住民を欺(あざむ)くもの」と憤っていた。






