RD問題 真価問われる嘉田知事 <28>
◇湖南・栗東市
栗東市のRD産廃処分場ヘの環境保全対策工事に絡み、嘉田由紀子知事は十九日の県議会代表質問で「処分場周辺の(汚染された)地下水を、万が一、飲用した場合でも、直ちに健康被害が生じるような高濃度の汚染状況とは言えない」と答弁し、地元住民や専門家からひんしゅくを買っている。【石川政実】
嘉田知事を支える県議会会派“対話の会・びわこねっと”代表の沢田享子県議が代表質問でRD問題を取り上げて「住民の中には、現地で検出されるダイオキシン類等について、『命』に対する恐怖心を抱いている人もいる。しかし、ダイオキシン類などは、現在、随分その危険性が見直されているものもあり、また、ヒ素についても、本当にこの汚染濃度で生命への危険があるのかどうか疑問がある。『命』に危険がないのなら(安全という)文書等を配布すべきではないか」と県の考えをただした。
これに対し嘉田知事は「県が昨年十月に実施したモニタリング調査結果では、処分場周縁の地下水からダイオキシン類と鉛が環境基準の約七倍、ヒ素が約五倍、シス1、2|ジクロロエチレンが約二倍、ホウ素が約一・五倍検出されている。生命への危険性で言えぱ、栗東市の住民が飲用している上水道は市が安全な水を浄化し供給しており、汚染された地下水を直接飲用するわけではない。また、処分場周辺の地下水を、万が一、飲用した場合でも、直ちに健康被害が生じるような高濃度の汚染状況とは言えないと理解している」と答弁した。この代表質問と知事答弁は、住民や専門家からひんしゅくを買っている。
ダイオキシンの権威である宮田秀明・摂南大学薬学部教授は本紙取材で、沢田議員の質問と嘉田知事の答弁について「ダイオキシンの毒性評価は、世界的に変わっていない。廃棄物を燃焼する過程で、このダイオキシン以外にも、(ダイオキシンの発生量の)数万~数十万倍という発ガン性が強い有害物質が生成している。その代表的なものは、多環芳香族炭化水素、ニトロ多環芳香族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素などである。ダイオキシンは、氷山の一角に過ぎない。また、焼却灰等の中には、発ガン性の高いヒ素、カドミウム、鉛などといった金属や非金属も含まれている。RD処分場は、これらが水に溶けて複合的に地下水汚染が進んでおり、総合的に毒性評価を行うべきだ。いまの環境基準の有害物質だけでなく、焼却すれば、どのような有害物がでるのか、それが水に溶けてどうなのかを評価して安全を論じるべきであり、嘉田知事の答弁は浅薄的」と批判した。
土壌汚染に詳しい畑明郎・大阪市立大学大学院教授(日本環境学会会長)も「『 命への危険性がない』や『直ちに健康被害が生じるような高濃度の汚染状況とは言えない』は、過去の公害問題への反省がない発言である。水俣病やイタイイタイ病は数十年にわたる低濃度の汚染物質を摂取したことによる慢性中毒により発生したもの。環境基準は慢性影響を防ぐための基準であり、予防的観点である。また同市の出庭水源地のヒ素濃度は、環境基準の六割レベルまできており、長期的な人体への悪影響が考えられるレベルに近づいている」と代表質問と知事答弁に反論した。






