RD問題 真価問われる嘉田知事 <30>
◇湖南・栗東市
RD産廃最終処分場(栗東市小野)の汚染対策で、県が産廃特別措置法に基づいて国の財政支援を受けようとすれば、期限内(平成二十五年三月内)の工事完了は厳しくなっており、実施設計の提出を見送る公算が高まっている。このため地元住民の間では「対策工事に先立つ緊急対策だけで幕引きにするのでは」との懸念が広がっている。
【高山周治】
県は特措法による国の財政支援を見込んでいるが、処分場周辺を遮水壁で囲い込む県案に対して周辺自治会から強い反発にあい、来年度予算案への計上を見送った。これにより県案を環境省へ申請するタイミングを逸して、期限内の工事完了が厳しい状態になりつつある。
このため県は、抜本的な対策工を着手するまでの間、汚染拡大を防ぐため、覆土(ふくど)や焼却炉撤去、対策工調査などの緊急対策費一億八千万円を新年度予算案に計上した。
緊急対策のメーンとなる覆土は、処分場四万八千平方メートルのうち産廃がむき出しになっている二万三千平方メートルを、雨水が浸透して有害物が地下流出しないように土砂で覆うもの。
また、有害物の調査は、着工前にケーシングを地中に打ち込み、特定できれば除去する。なお、調査位置は、第三者を交えて住民と協議して決める。
ただし、覆土後の有害物撤去について県最終処分場特別対策室の井口嘉久室長補佐は「いったん覆土した土を掘り返すことは、措置命令に含まれていない。覆土後に掘削することになれば、県費投入について県民の理解を得ないといけない」と消極的だ。
また、井口室長補佐は「特措法以外に国から支援を受ける方法はなく、県単独で工事を実施するのは財政的に困難。県としては市調査委員会の粘土層修復案を技術的、費用的に不可能と見ており、県案しかないと考えている。このまま解決が長引けば県案までもが実施できなくなる」との認識を示している。
県は今後、住民の合意と納得を得るため周辺七自治会へ覆土などの緊急対策と経過の説明工法を中立的な立場から評価できる第三者の選出第三者を交えての工法評価―を予定しているが、環境省への実施設計提出のメドは立たない状況だ。
これに対して地元住民でつくる産廃処理問題合同対策委員会の高谷清副代表は「この『緊急対策』は、敷地の半分におよぶ覆土を含んでおり、これで終わらせる危険性がある。県は、『住民要求の粘土層修復案をテーブルにのせて協議する』との知事答弁にもとづいて、住民との協議を早急に開始すべきである」と県の姿勢を批判している。





