間伐材を使って整備中
◇東近江・竜王町
「里山を守るためには、人に入って来てもらうことが大切。何とも言えない森のすがすがしい空気を味わってほしい」と語るのは、竜王町川守の中江孝造さん(67)。昨年五月から雪野山の麓(ふもと)で、有志八人とともに間伐材を利用した遊歩道づくりに取り組んでいる。
昭和五十八年、滋賀県の植樹祭が雪野山で開催されたのを機に、山全体が生活環境保全林に指定された。地元の川守自治会では、雪野山生活環境保全林整備事業管理協議会を立ち上げ、自分たちの手で保全・緑化を推進。平成十六年度からの三カ年は、雪野山の中でも地元住民が“ひのき山”と呼んでいる森林を中心に、枝打ちや間伐も実践した。
しかし、苦労して手入れした森林も、ほっておけば元の木阿弥。今では「サルやシカが出没し、山から下りてきたイノシシが畑の農作物を食い荒らして困っている」と、山道にくっきり残ったイノシシの足跡に地元住民の表情も曇る。
山に入ることが守ることにつながると、中江さんの呼び掛けで有志が集まり、雪野山ハイキングコース脇に新たな遊歩道作りをスタート。うっそうとした森林の下草刈りから始め、日野町森林組合の指導を仰ぎながら檜や杉、竹を伐採、木々の合間から日差しが注ぎ込む快適な空間へと変身させた。
切り出した間伐材は、案内看板に利用しているほか、機械で粉砕しチップにして遊歩道に敷き詰めた。フカフカで歩きやすいチップ遊歩道は、ハイキングに訪れた人にも大好評。
また、遊歩道の途中に間伐材を使った橋を架けるなど、川守地区の四十~六十歳代で組織する壮年会も全面協力している。
毎週木曜日と日曜日の午前中、チェーンソーや木づちの音が響き渡る中、少しずつではあるが安らぎの森林づくりを形にする有志の表情は、木漏れ日に照らされ輝いていた。








