地域力を結集―大規模300世帯 防災意識の「核」に
◇東近江・五個荘
五個荘小幡町の住民が自主防災組織を結成し、二十一日、五個荘福祉センターで設立総会を開催した。今世紀前半にも発生が予想されている東南海・南海地震、琵琶湖西岸断層帯地震や台風等の自然災害を視野に、住民の生命財産を皆が守ろうと、個々が持つ英知と地域力を結集させる組織で、災害に強いまちを築く取り組み。
琵琶湖の水位は標高約一〇二メートル、四メートル強からの高低差でしかない同町ではゲリラ豪雨にみわまれた場合、冠水の危険があり、陸の孤島になる心配を抱えている。実際、雨水が一定限度を超えると溢れることもしばしばあり、台風被害の深刻さを目の当たりにしている。さらに高齢化や核家族化が進み、災害時の要援護者(高齢者、障害者、乳幼児ら)をどう避難させるべきかが問われ、住民主体の防災組織の必要性を痛感していた。
そこで平成二十年二月、住民が社協主催の防災活動研修を受講し、平成七年に発生した阪神・淡路大震災の検証や教訓から自主防災組織の必要性を啓蒙。翌二十一年四月に防災対策検討委員会を設置して防災意識調査アンケートを実施し、避難支援有志者百五人、防災活動参加有志者二百七人の名簿を完成させた。さらに昨年十月、自治会独自の防災避難訓練を繰り広げるなど地域防災力の重要性を再認識し、二百六十人からなる防災組織の役割分担表が完成。自治会長を本部長にする自主防災組織が立ち上がった。
住民を突き動かしたのは、同町でも感じた阪神・淡路大震災の激しい揺れと、近い将来起きるであろうとされる東南海・南海地震および琵琶湖西岸断層帯地震。阪神・淡路大震災では、約三万五千人が倒壊家屋等の下敷きになり、六千四百三十七人もの犠牲者を出した。道路の寸断により消防機関によって救出されたのはわずか数%、助かった九〇%超える人々は近隣住民によって助け出されたという事実があり、住民による自主的な防災活動こそ、非常時において最大の効果を発揮することが明らかにされた。
設立総会には、設けられた救護班、消防活動班、給食班および十八組ある隣組組織の代表ら約百人が出席し、小幡自治会長の小川達之さんが「防災組織の横のつながりを広げ、それぞれが持つ情報や経験を共有していきたい」とあいさつした。
続いて布施祐次五個荘支所長、谷口喜太郎能登川消防署予防係担当主幹、前田清子市議会議員があいさつで「災害は必ずやってくるという危機意識も持ち、自助・共助・公助の三本柱で助け合わなければならない。自治会の自主防災組織は、まさに一人ひとりの防災意識の核になる」との共通認識を示し、三百世帯を超える大規模自治会での誕生に敬意を表した。







