県幹部起訴という嘉田県政最大の汚点 県政課題
◇湖北・米原市
二十四日に告示される知事選は、現職の嘉田由紀子氏(60)と、新人で前衆院議員の上野賢一郎氏(44)、新人で前県労連議長の丸岡英明氏(61)の三つ巴の戦いが予想される。ちょうどこの日は、米原市に官民連携で計画されている滋賀統合物流センター(シルク)事業を運営する(株)SILC(本社・大阪市、和泉玲子社長)が米原市に土地代金二十七億円を支払う期日でもある。事業を引っ張ってきた県総務部管理監の古川久巳被告が逮捕・起訴されるなど、県の責任が免れないとされるシルク問題を追った。 【石川政実】
(株)SILCの和泉玲子社長は十日、米原市に対して、今月二十四日に迫った土地売買代金の支払い期限を、十二月三十一日まで再延長してほしいと申し入れた。
昨年まで県幹部らは、土地代金の調達について全責任を持つと同社に確約していたが、この一月に古川管理監が逮捕されてからは、県の対応が一変し、同社にシルク事業の全責任を転嫁していく。
同社は、事業再構築のために、三月二十四日の土地代金支払いを三か月延長(六月二十四日に決定)することを要請するとともに、二月十日には県に対し企業の意向確認を依頼。 だが、意向確認について正式な県の回答は、五月十八日だった。それでも同社はあきらめずに単独で各企業と交渉し、今月十七日には大手金融機関の仲立ちで、日本を代表するト ップ企業とシルク事業進出についての協議に入った。
●米原市、契約解除へ
この成果を携えて和泉社長は十八日、泉峰一・米原市長を訪ね、有力企業との交渉過程を報告し、支払期限の再延長を要請。
逆に泉市長は「延滞金を払うか、現在交渉中の企業名を公表してもらえないか」と和泉社長に迫った。
これに対し和泉社長は「守秘義務があるので企業名は公表できない。もともと資金調達は、県が準備するということで社長を引き受けた。当社も市も県にだまされた」と県の責任を主張し、両者は平行線をたどった。市は、二十四日まで待って、同社が土地代金を支払われなければ、二十五日に契約解除と違約金の請求 に踏み切る模様だ。湖北地域の悲願である「南北格差解消」は夢と消えることになる。
●古川被告らの謎
嘉田県政最大の汚点となっているシルク問題では、古川被告らの行動に謎が多い。嘉田知事が全幅の信頼を寄せた古川被告と、県議会の嘉田与党会派「対話の会・びわこねっと」の佐橋武司県議は昨年三月三日、(株)SILC本社を訪ねて、和泉社長らと懇談した際、佐橋県議が「嘉田知事の再選出馬の選挙資金として四千万円をお願いできないか」と要請したのもその一つ。
二月二十五日に開催された二月県会一般質問で、共産党の森茂樹県議が「この事実を調査したのか」と質したところ、嘉田知事は「常々、政治と金については『李下(りか)に冠(かんむり)を正さず』の姿勢でやっており、私の姿勢は関係者も理解しており、あえて事実は調べていない」と突っぱねた。
さらに嘉田知事を支援する政治団体「対話でつなごう滋賀の会」は三月六日、総会を開き佐橋県議を顧問から幹事に昇格させた。





