評論家の八幡和郎氏が新刊
◇全県
滋賀県出身の評論家、八幡和郎氏はこのほど、新刊「本当は間違いだらけの戦国史の常識」(ソフトバンク新書)を刊行した。定価七百六十円(本体)。
戦国時代の出来事やエピソードはさまざまな形で残っているが、実は戦国史についてまとめられた公式な史書というものは存在しない。そのため、しっかりした史実の検証がなされないまま、通説や奇説があたかも歴史的事実として受け入れられてしまっている。
本書ではしっかりした史実の検証をもとに、今まで通説と言われていた出来事や、よく知られている異説を見直し、本当の戦国時代を追及している。
例えば織田家のルーツは、平清盛の孫である資盛の子が近江蒲生郡津田荘(現在の近江八幡市)の土豪のもとで育てられ、後に越前丹生郡にあった織田剣神社の神官の養子になった親真(ちかざね)に始まると伝わる。
親真には実父、母の再婚相手、養父の三人の父がいて、親実はもう一、二代あとの人らしい記録もあり、だから「伝説がウソ」と断定する向きもある。
しかし、筆者は反論として、織田の傍系が「津田」姓を名乗る習慣があったことや、父祖の地とされる津田荘の近くに安土城を築いたのは偶然というには「奇偶すぎる」といい、「少なくとも津田荘と織田家の先祖が関係あるのは高い確率で事実だと見るべき」と主張している。
このほか本書では、本能寺の黒幕や秀吉の朝鮮出兵の理由、お市ら美女たちの結婚などを取り上げ、通説・新説を鮮やかな切り口で見直している。







