民医連が昨年度の無料定額診療の実態発表
◇全県
無保険者や生活困窮者が無料または低額で診療が受けられる国の「無料低額診療制度」事業を実施している県内の三医療機関が加盟する滋賀民主医療機関連合会はこのほど、昨年度の受け入れ患者の実態を発表した。失業して収入がない無保険者や、生活保護水準ぎりぎりの生活を送っている人が多く、医療費が払えないケースが増えていることが分かった。【石川政実】
リストラや失業で利用患者の
4割が事実上の無保険
三医療機関は、膳所(大津市)、坂本民主(同)、こびらい(栗東市)の各診療所。昨年度に三診療所で「無料低額診療制度」によって受診した患者は三十四人。年齢別では、四十代が約三割と最も多く、次いで五十代が二三・五%、六十代が二三・五%の順。二十代も八・八%に上っている。
保険加入状況は、保険料を滞納して国保短期証と国保資格証にさせられた「事実上の無保険」が九人、「無保険」が六人で、これらの合計は、全体の四四・一%を占めている。しかし有保険者でも窓口で三割の自己負担金分を払えないケースがほとんどだ。
具体的な事例は▽六十四歳女性は症状があっても受診出来ずにいて悪性疾患が見つかった。縁者が一度、同女性のために生活保護相談に行ったが断られた。女性は、今年五月に死亡した▽五十九歳男性はリストラにより住まいを無くして車中泊を続けていた。保険は国保。現在、関東方面で建設業に従事中▽三十七歳女性は、会社倒産後、正規職につけず短期、派遣、日雇い(交通費が出ないことも多い)で低所得から抜けられなくなり、現在「生活保護」を受け、喘息の治療をしながら部分就労で頑張っている―など、さまざまだ。
また、生活保護の相談で行政から働くよう厳しく言われ、二度と行きたくないと言う人も数人あった。
無料低額診療を受けた理由として、リストラ・失業、非正規労働者による低賃金、国民年金などの低年金、自営業の不振などが挙げられている。
また疾病では、高血圧症、糖尿病、心疾患、喘息、肝臓疾患など慢性疾患が多く、肺がんや栄養失調など命にかかわる病状もあった。
無料低額診療制度で無保険者や生活困窮者らの負担を減免する部分は、三診療所が負担しているが、昨年度は八十五万円だった。
連合会の長田茂副会長は「貧困層が拡大している中、日赤や市立などの公的病院などで、無料低額診療事業に取り組んでもらいたい。また国や自治体の責任で、外来でも国保一部負担金減免制度をつくることが求められる」と話している。







