関西広域連合が大飯原発再稼働容認
◇全県
嘉田由紀子知事には「関西広域連合が関西電力大飯原発三,四号機の再稼働容認の声明を出すことは、琵琶湖を抱える滋賀県の知事として絶対に認めるわけにはいかない。関西広域連合から脱退する」と、席を立つ選択肢もあった。しかし事実は全く違った。再稼働に慎重だった嘉田知事の豹変ぶりに賛否両論が巻き起こっている。 【石川政実】
嘉田知事の豹変に賛否両論
関西広域連合は先月三十日、原子力規制庁が発足していない中、政府の安全判断は暫定的なものとしたうえで、大飯原発再稼働について「限定的なもの」にとどめるよう要請する声明を発表した。事実上の容認である。これを受け、野田佳彦首相は、再稼働へ向かうことになった。
誰よりも再稼働に慎重だった嘉田知事も「経済界の『この夏を乗り切れない』という声も斟酌(しんしゃく)し、臨時的再稼働はやむを得ないと判断した。私は今も慎重姿勢だ。そもそも知事や広域連合が意思決定のボールを持っているかのような責任を負わされるのは筋違い」と弁明した。
これに対し、「この数か月間、再稼働は認めないと大騒ぎしたのは、なんだったのか」「琵琶湖は裏切られた」といった声が本紙に寄せられている。
共産党県委員会の奥谷和美委員長は「いくら嘉田知事が私はいまも慎重姿勢と言ったところで、関西広域連合では容認する声明文に署名している以上、言い訳にしか過ぎない。監視体制に滋賀県や京都府が参画を要望するのは、枝葉の問題だ。嘉田知事は原発ゼロを宣言して、もっと真摯(しんし)に取り組むべき」と指摘する。
自民党県連の家森茂樹幹事長は「もともと関西広域連合は、設立趣旨から言って、再稼働を判断する立場にない。卒原発で突っ走ってきた嘉田知事が再稼働を限定的にでも容認したことで、県議会で、やっとまじめにエネルギー政策の議論ができるようになる」と一定、評価した。
民主党県連の出原逸三幹事長は「今回の関西広域連合の方向性は“了”としたい。ただ、『限定的』とするのは、現実的でないだけに、極めて残念だ。嘉田知事には、原発の安全確認だけでなく、エネルギー政策、コスト問題、企業誘致など、総合的な視点で考えてもらいたい」と注文をつけた。
市民運動「脱原発市民ウォーク」の主催者の一人、池田進氏は「政府は限定的な再稼働を始めから否定しているのに、関西広域連合がそれを承知のうえで限定的として容認したのは、広域連合の敗北であり、市民への裏切りだ。嘉田知事や橋下徹大阪市長らは、政府から『限定的な再稼働』という確約を取り付けられなければ即刻、辞職すべき」と憤った。
嘉田知事には、県民や琵琶湖への説明責任が問われているのだ。







