動き出した衆院選(2) 《1区》
1区(大津市、高島市)は、九選を目指す民主現職で総務相の川端達夫(67)、自民新人で前静岡県議の大岡敏孝(40)、共産新人で前滋賀県議の節木三千代(54)、さらには大阪維新の会が虎視たんたんとうかがう構図だ。(文中敬称略)【石川政実、高山周治】
●骨の髄まで理系人
「いまだに物事を考える視点は理系なんですよ。だから大風呂敷を広げるのは大の苦手」と川端は苦笑する。
大学の工学部から東レに入社し、研究者として汗をかいた。文部科学相、総務相を歴任し、高校無償化など、地道に実績を上げている。
だが川端事務所は、自民の上野賢一郎(46)に敗れ、比例で復活した平成十七年の郵政選挙を忘れない。川端が党幹事長で地元に帰れなかったのが敗因だった。今回も逆風の中、総務相だけに月に一、二回しか戻れない。
このため同事務所では、東レの組織票に加え、公称四万人の後援会の拡充のため、入会勧誘に力を注ぐ。二十四日、大津市瀬田で後援会を集めた国会報告会に続き、八月には高島市でも開催の予定だ。
●国難、襲来す
「相手は、民主党の大物、当選八回の川端総務大臣。東レの労働組合が支える労働界のプリンス。まさに巨人と子どもの戦いだが、捨て身でぶつかる」。静岡県議を辞職する前夜の今月六日、大岡は、支持者に最後の県政報告会を行った。
甲賀市土山町(4区)の出身だが、静岡県議から自民の1区支部長の公募に応じた。
大岡は二十一年にも4区の公募に挑んだが、“見えざる手”に阻まれ、涙をのんだ。今回は、意地の応募だった。
今月十七日、JR堅田駅で第一声を上げた。七月一日には、大津市におの浜三丁目で事務所開きを行う。
藤田東湖が吉田松陰にあてた手紙の「国難、襲来す。」を胸に。
●JAがメッセージ
それは思わぬ光景だった。五月十九日、大津市で開いた共産党の1区演説会に、TPP(環太平洋経済連携協定)による農産物輸入自由化を危ぶむJAレイク大津から応援メッセージが寄せられたのだ。
「TPPに加われば、命が救えない」。節木は、立候補表明の記者会見で訴えた。看護師経験十八年が言わせた言葉だった。TPPに参加すれば、米国の民間医療保険の輸入に伴って、国民皆保険制度が崩壊する懸念があるからだ。
これまで同党と接点がなかった医師会や看護協会から「参加を止めて」との激励も。
比例重視の同党は、近畿ブロックで三議席から一増の四議席を目指し、1区では三万四千票を目標に掲げる。
●公務員改革を県政へ
橋下徹大阪市長が率いる地域政党・大阪維新の会はこの二十三日、次期衆院選の候補者を養成する「維新政治塾」の入塾式を開催した。
みんなの党の蔦田恵子県議(50)の姿もあった。蔦田は「現時点では出馬を考えていない。橋下さんから公務員改革を学びたい」と紅い気炎をあげていた。









