動き出した衆院選<3> 《 2区 》
滋賀2区は、四選を目指す民主現職の田島一成氏(50)に、自民前職の上野賢一郎氏(46)、共産新人の中川睦子氏(54)、みんなの党新人の世一良幸氏(52)が挑む。有権者は、六月二日現在で約二十六万四千人。投票率を六五%(前回六九・七%)とすると、六万一千票が当落のボーダーラインになってくる。【石川政実、高山周治】
【滋賀2区 (彦根市、長浜市、米原市、東近江市の旧愛東町・湖東町、愛知郡、犬上郡)】
●眼下の敵にジャブ
「自民党1区の前支部長であった上野氏が、なぜ2区に鞍替えなのか」と田島は、眼下の敵・上野にジャブを飛ばし、早くも「常在戦場」モードだ。
逆風の中、昨年の県議選では、県議が六人から三人に激減した。
このため六万五千票の基礎票固めに躍起だ。
週末は地元に帰り、党員・サポーターや支持者のミニ集会に出向く。
また政権与党として、今まで自民党支持であった郵政関係など各種団体の取り込みも。今月からは県議三人と市議・町議で地域割をし、後援会(公称約三万人)の挨拶回りとミニ集会に力を注ぐ。
●ふるさとは温かい
やはり、ふるさとは温かかった。「2区から出るなら応援するよ」。
三十年間近く音信が途絶えていた旧友からツイッターでメッセージが次々と入ってきた。
長浜市出身の上野は、前々回の郵政選挙(平成十七年)では、1区で民主現職の川端達夫相手に金星をあげたが、前回の総選挙(同二十一年)で大敗。翌年の知事選(同二十二年)でも敗れた。2区転出は、まさに背水の陣なのだ。
2区事務所を彦根市に構えているが、長浜市にも拠点を設ける。
県議九人がフル稼働し、ポスターがそこかしこに貼られ勢いづく。
●命運握る維新の動き
「党と大阪維新の会は政策的に一致する」と維新の会との連携に期待を寄せるのは、元環境庁職員の世一。維新政治塾の入塾選考で、みんなの党関係者が復活したのも朗報だった。
江田憲司・同党幹事長が二十年に旗揚げした政策集団「脱藩官僚の会」に入会したのが、政界進出のきっかけになった。元霞が関のメンメンが顔を揃え、脱「官僚」を熱く語り合った。
三月の出馬表明以降は、街頭演説に力を注ぎ、知名度アップを図る。二十八日に長浜市で開く集会には、渡辺喜美・党代表も駆けつける。
●福井出身の声届ける
「子どもの頃はむしろ、原発の先端技術が地元の誇りだった」と振り返るのは福井県出身の中川。
両親の出身は原発のある高浜町で、親せきが反対運動派と関電勤務に分かれていた。
反原発に向うのは、彦根市で核兵器反対運動に参加してからだ。
高浜町は今、豪華な見返り施設とは対照的に、さびれた風景が目につく。再稼動問題で表面化した「立地県」対「消費地の関西」の対立構造に、「安心を願う思いは一緒なのに」と複雑な思いだ。週に二~三回開く小集会で、福井県出身の声を届けたいと駆けつける。
(文中敬称略)







