動き出した衆院選<4> 《 3区 》
【滋賀3区(草津市、栗東市、守山市、野洲市)】
四選を目指す民主党現職の三日月大造氏(41)に、自民党新人で公認会計士の武村展英氏(40)、共産党新人で前県議の西川仁氏(64)が挑む。民主の逆風を三日月氏がどう跳ね返すか、武村氏と西川氏が地盤の草津市でどれだけ票を伸ばせるかが焦点。有権者は六月二日現在で二十四万七千九百五十五人。【石川政実、高山周治】
●『ターミネーター』
三日月は、政治家になるために生まれてきた政界版『ターミネーター』かもしれない。まさに肉食系である。
京都生まれの大津育ちでJR西労組出身の三日月は、平成十五年に地縁もない3区から出馬し、自民党の宇野治(宇野宗佑元総理の娘婿)を破り初当選。十七年の郵政選挙、二十一年の政権選択選挙でも宇野を撃破した。
「政権交代への期待が大きかった分、今回は小泉旋風が吹き荒れた十七年より厳しい。前回の十万三千票の三分の一からスタート」と陣営を引き締める。
それでも強気は崩さない。週末は地元に帰って、支持者を前に釈明を四割にとどめ、残る六割は「未来政策」を語る。その一つが得意の鉄道政策。JR京都駅―山科駅間の増強、JR草津線複線化、びわこ京阪奈線整備、北陸新幹線推進を訴える。死角は見当たらない。
●江戸風情の草食系
武村には、藤沢周平の小説に出てくる武士の風情がある。二十二年の参院選で自民公認から出馬したが、落選。
この二月には、公募で自民党の3区候補者に選ばれた。草津市は生まれ育った地であり、栗東市には祖父の本家がある。地縁血縁を頼って3区に腰をすえた。
草津市を中心にポスター二千枚を貼り終えた。「ポスターで顔を覚えてもらったのか、最近、街頭での手ごたえが違う」と自信も。街頭では、立ち遅れる3区の道路整備を訴える。
「県の道路整備交付金が四割まで落ち込むなんて、元国土交通副大臣の三日月さんの地元では考えられない」とけん制も。3区の党員二千人を核に後援会づくりを急ぐ。
最近、小唄と三味線を始めた。三味線の響きが情念の津軽じょんがら節に突然変異する時、展望が開ける。
●「賛成です」に豹変
西川は、ユニークなポスターを指差しながら、「一部の支持者には違和感を覚えると言われるほどイメージを変えた」と苦笑する。
建設的な印象を打ち出したデザインにあって、ひときわ目立つのは黄色い文字で大書した「賛成です」。脇には、消費税や原発、TPP反対の訴えになっている。ターゲットは無党派層だけでなく、他党の支持層も。
「共産は何でも反対と思われがちだが、最近では筋金入りの他党の支持者でも政策に賛同してもらえる。ポスターが議論のきっかけになればいい」と東日本大震災後の変化に期待を込める。
その一方で市議八期、県議一期のベテランは「風頼みだけでなく、地力もつくらなあかん」と駅頭立ちや訪問活動のほか、小集会などで地道に汗をかく。
一方、大阪維新の会の政治塾生には、滋賀3区から不動産経営者(44)などが見られ、目が離せない。(文中敬称略)







