生徒に寄り添える組織見直しなど 12日、いじめ・暴力語り合う公開研修
◇全県
大津市で昨年十月、市立中学二年生の男子生徒(当時十三歳)が自殺した問題を受け、全教滋賀教職員組合は先月二十七日、同組合のホームページ上で声明「子どもの命を守り、二度と悲しい事件を繰り返さないために」を発表した。組合事務局は「事実を正確に把握するため、発表が現在に至った。声明では学校の信頼回復に向けた方向性を示した」としている。
声明の内容は、(1)教育の原点に立ちかえろう(2)生徒の苦しみを解明する努力をつくし、「なぜ救えなかったのか」に向き合おう(3)子どもと保護者とともに語り合い、人間らしさあふれる学校づくりに力を尽くそう―の三点を挙げている。
同中学校では、男子生徒へのいじめについて他生徒から教師への訴えや、自殺数時前には保護者を交えた指導が行われた。いじめの可能性も検討しながらも、救いの一歩が足りなかった。
これについて声明では、教育界全体の問題として、「子どもの命と人権を第一にするということが指導の柱にすわっているかどうか深く問い直す必要がある」として、悩み困難を抱えた子どもへの寄り添いや、教員一人ひとりの気付きと認識の共有化など、教育の原点に立ちかえり、反省と自己点検を求めている。
また、「生徒の苦しみを解明する努力をつくし、『なぜ救えなかったのか』に向き合おう」では、「亡くなった生徒が何に苦しんでいて、なぜ自殺を選択せざるをえなかったか、そこに学校と教職員がどう働きかければよかったのか」を見つめ直すため、生徒や保護者、教職員の協力だけでなく、「現場の事情をよく把握した臨床心理学者や教育研究者、子どもの問題に関わってきた弁護士」など外部の専門家に協力を求め、「教育的見地からの解明の努力をすべき」と提言している。
「子どもと保護者とともに語り合い、人間らしさあふれる学校づくりに力を尽くそう」は、「すべての保護者や教育関係者に『自分の子どもや自分の学校は大丈夫か』という不安が広がっている」という声にこたえて、「子ども、保護者と向き合い、いじめや暴力のことを率直に語り合って、子どもの命と人権を守り、一人ひとりの子どもが大切にされる学校づくりをすすめる決意」と表明。ちなみに同組合は今月十二日、勤労福祉センター(大津市)で、一般公開の研修会を開くことにしている。
さらに問題が発生した中学校で落ち着いた教育活動を再開するため、必要な当面の対策として、(1)調査検討委員会の立ち上げ(2)遺族と生徒、保護者へのケア対策、及び教育活動を支援するための必要な教職員の配置(3)冷静な取材と報道の協力(4)教職員が生徒とじっくり関われるように学校大規模化や長時間過密労働の見直し―を挙げている。






