ろう城VS野戦組のバトル
◇全県
崖っぷちの野田佳彦首相は十四日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を争点に、「あす衆院解散」の意向を表明し、来月十六日投票に動き出した。湖国政界も大慌てで選挙準備を始めている。滋賀1区(大津市、高島市)は、九選を目指す民主現職で前総務相の川端達夫(67)、自民新人で前静岡県議の大岡敏孝(40)、共産新人で前県議の節木三千代(54)、さらに近く発表される日本維新の会(代表=橋下徹大阪市長)の立候補予定者の四人の戦いになりそうだ。各選挙区の動きを追った。(文中敬称略)【石川政実】
●捨て身で野戦に挑む
「川端さんは自分の城にろう城して六~七万票を固めればいい。平成二十一年の前回得票から四割を落としても勝てる。僕には城がなく、野戦しかない」と大岡は冷静に分析する。
十三日まで「解散が今月二十二日、投票日が十二月十六日」を想定して、臨戦態勢に入っていた。
「自民党の主力部隊は市議や県議だが、十二月は議会があり、足止めをくらう」と苦笑するが、めげない。
「『年内解散、投票』なら川端さん、『年内解散、来年一月投票』なら維新候補を標的にする」と闘志を燃やしていた。
九月からは、3区の自民新人、武村展英氏(40)と合同で、大津と草津市において街頭演説も。捨て身で挑む。
●カギ握る越市長
川端陣営では、無党派層狙いを捨て、八期で培った後援会(公称四万人)と連合の組織票固めに徹している。
十月以降、後援会や東レOBなどが中心になってミニ集会を相次いで開催した。川端が直接、民主政権の実績を説明すれば納得してもらえるからだ。とくに今回は、後援会から連合の組合員に支持を呼びかける異例の戦術も。
前回は十一万二千票を獲得したが、川端事務所では「まず七万から八万票は固めたい」と控え目だ。
来年一月の高島市長選で、現職と新人をめぐって自民が分裂するのも朗報かもしれない。 さらに越直美大津市長が応援に入るかも焦点になっている。
●TPP反対貫く
「TPPが衆院選の争点になれば、自民党も割れる。TPP反対の共産党に支持が集まる」と同党大津湖西地区委員会の井上敏一委員長は目を輝かす。
同委員会は一月から十一月まで、一万五千か所で街宣活動を行ってきた。節木本人、大津市議団、市議OBなどが自転車やバイクにハンドマイクを乗せて街頭宣伝を繰り広げた。
街頭では脱原発、TPP反対、消費増税反対などの政策に共鳴する声が多く、これを投票につなげようと知恵を絞る。
今月二十三日に大津市民会館で開く市田忠義党中央委員会書記局長を迎えての国政演説会を、総選挙の一つの山場に位置付けていく。
●O社社長が有力か
日本維新の会は早ければ十七日にも、1区の候補者を発表の予定だ。維新は三日、次期衆院選に向けて実施した第一次公募の合格者百五十五人を対象に合宿を行ったが、そこには水回りリフォーム業O社社長のO(49)=大津市(1区)=や、水口青年会議所前理事長の岩永裕貴(39)=甲賀市(4区確定)=の姿もあった。しかし維新では、元官僚などを1区に持ってくる可能性もわずかにあるが、Oが最有力。






