新人・岩永裕貴氏が初当選
選挙戦を支えてくれた同級生やJC仲間らとともに最後まで過ごそうと、岩永氏は、午後七時四十分には選挙事務所入りし、自民優位を伝えるテレビ速報に見入った。開票が進んだ午後十一時、トップの自民・武藤貴也氏と約二千七百票差であることが伝えられると、詰め掛けた支援者から「おー」と声が上がり、逆転勝利への期待感が高まった。
その後、民主・奥村展三氏との順位変動はあれど、トップとの差が縮まることはなく、午後十一時二十分の武藤氏当選確実の報道に、落胆ムードが漂った。しかし、日本維新の会が大阪などで議席数を伸ばしていたことも影響し、比例代表近畿ブロックでの復活当選の兆しが見え始めると、選挙事務所も熱を取り戻していった。
午前一時、報道関係者から小選挙区での敗戦について問われた岩永氏は「維新が最終的に第三極の受け皿になりきれなかったことが原因の一つ。二十、三十歳代からは維新の風を感じたものの、高齢者は新参者に対する警戒意識が強かったと思う」と分析し、「準備不足で滋賀4区から維新の候補が出ていることを伝えるのが精一杯で、選挙期間中も個人演説会を二回開くのが限界だった。けれど、若者の窓口・選択肢になれたことは、大きな足跡を残せたと思っているし、維新から出て、ほんまによかった。何の後悔もない」と言い切った。
敗戦の弁を述べた約十分後、比例代表近畿ブロックでの当選確実の一報が入り、選挙事務所は一転、支援者約五十人によるひろきコールで沸きあがり、歓喜に包まれた。
万歳三唱で仲間と喜びを分かち合った岩永氏は、「まず初めに、小選挙区で自民党候補に勝てなかったことを深くお詫びいたします。本当に私の力不足でした」と頭を下げ、自ら「はい」と言って場を切り替え、じわじわとこみ上げてくる初当選の喜びを語り始めた。
「いろいろな選挙を見てきたが、友達の絆だけで国政選挙を戦うのは見たことも聞いたこともなく、私の誇り。めちゃくちゃ厳しい滋賀4区で、比例の一議席をいただけたことは、ほんまに奇跡的だと思う。やっとスタートラインに立たせてもらうことができた。日本維新の会の議席は自民党におよばないが、これから国会で思いっきり存在感を示し、みなさんからいただいた一票一票を絶対に無駄にすることなく、きっちりと返していきたい。みんなで勝ち取った日本一大きな一議席、みんなで国会に乗り込もう」と呼び掛け、岩永氏がこぶしを突き上げると、再びひろきコールが起こった。
橋下徹代表代行が言い続けている“国の根っこの部分を変える”との思いに共感し、日本維新の会のしがらみの無さに惹かれたという岩永氏。一国会議員として、有権者の大きな期待にどう応えていくのか、選挙戦もさることながら最も目が離せないのはこれからだ。








