嘉田知事の「二足のわらじ」に県会猛反発
二十六日に閉会した十一月定例県会では、日本未来の党代表と知事職を兼務する嘉田由紀子知事に対し、各会派から厳しい批判が相次いだ。そこで、十九、二十日の一般質問の中から、木沢成人県議(無所属)と家森茂樹県議(自民)の追及ぶりを紹介してみた。 【石川政実】
二十六日に召集された特別国会で、首班指名選挙が行われ、安倍晋三自民党総裁が内閣総理大臣(首相)に選ばれることになった。このように首班指名選挙は、憲法により、国会で首相を指名する選挙で、衆議院・参議院それぞれが、国会議員の中から指名する。
木沢県議は、この首班指名選挙と国会議員でない未来の党首(二十五日現在)である嘉田氏との関係に触れ、「未来の嘉田代表は、公示後の名古屋市内の遊説で財政再建について『民主党の事業仕分けは失敗。ボトムアップは無理。私を首相にしてくれたらトップダウンでやる』と述べたと報じられた。一般に有権者は、国政政党の党首が、首相になるものと想定している。ましてや、この演説を聞いた有権者は、嘉田さんが首班指名で首相になり、政策を実現してくれるものと信用して投票行動に移った可能性がある。実際には、立候補者でも国会議員でもない嘉田知事は、首相にはなれないだけに、これは公職選挙法二三五条(虚偽事項の公表罪)に抵触する疑いがある。同党は、愛知県内で三十一万票余り(比例代表)を獲得しているが、この負託に応える意味でも、知事を辞めて国会議員になるべき」と知事辞職と来夏の参院選への出馬を迫った。
嘉田知事は「それは、もしも、(首相という)そういう立場であったなら、という政策提案をしたもので、法的に問題があるとは考えていない」と弁明した。
一方、家森県議は「嘉田知事は、もっと地方自治の現場の声を国政に届けようと、政党をつくり、党首になった。憲法前文では、国政において国民の権力を行使できるのは、国会議員と定められている。嘉田知事が国政に参画するには、国会議員になるしか方法がない。 また、憲法一五条(第二項)には、すべての公務員は、『全体の奉仕者』であって、一部の奉仕者でないとされている。『全体の奉仕者』と言うのは、国家公務員なら国家、国民全体であり、地方公務員は管轄地域全体のことであり、権力行使の範囲を示している。この憲法に基づき、地方自治法(第一四一条)では、地方公共団体の首長が、衆院議員または参院議員を兼ねることができないという“兼職禁止規定”になっている。それでも嘉田知事は、国会議員と知事の兼務を求めていくのか」とただした。
嘉田知事は「地方自治法の兼職禁止規定の廃止、国会法、公職選挙法などの法律改正により、首長と国会議員との兼職は可能との研究成果がある」と反論。
これに対し家森県議は「大本の憲法一五条を改正しない限り、他の法律改正だけでは、兼職が可能にならない。『憲法改正は、必要ない』とする嘉田知事が、どうしても国政へ働きかけたいのなら、もはや知事を辞めて国政に出るしかない」と知事の論理矛盾を突いた。







