「県流域治水条例」案で県が説明
県民への説明不足や建築規制のあり方に問題があるとして、九月県議会で継続審議となった「県流域治水条例」案について、「なるべくたくさんの地域で丁寧に説明をしたい」と意欲を示していた嘉田由紀子知事はこのほど、甲賀市内で開かれた住民説明会に初めて出席し、条例案への理解を求めた。質疑では、条例案そのものへの批判はなかったものの、台風18号水害の氾濫(はんらん)原因となった川底の堆積土砂の除去を滞っていた県の不作為に対する批判が上がった。【高山周治】
嘉田知事「浸水危険区域から予算入れる」
同条例案は、県民の命、財産を守ることを目的に、二百年に一度の大雨が発生した場合、三メートル以上の浸水深が見込まれる地域を「浸水危険区域」に指定し、区域内では、住宅などを増改築、新築する場合、二階などに一時退避できるように地盤のかさ上げをするか、または避難所の設置を義務付ける。
説明会では、宅地のかさ上げについて「三メートルもかさ上げしたら住めない」と、不安が多く寄せられていることに対して、通常の住宅は国の建築基準法で規定された二階床面最低高二・九九メートル(床高〇・四五メートル、天井高二・三メートル、天井懐〇・二四メートル)に沿って建設されていることから、「想定浸水深が三メートルの区域に二階建て住宅を建てる場合、国基準よりも宅地を二センチかさ上げすれば、二階床面が三・〇一メートルになり、県流域治水条例の許可要件をクリアーできる」と説明した=図参照=。
これについて県流域政策局は「条例案の目的は、一時的に避難できる空間を二階等に確保することなので、このように説明した」としている。
また、住民からは「川底の堆積土砂の浚渫(しゅんせつ)を毎年要望してきたのに、県からは返事もなかった。災害の責任はだれにあるのか。行政がしっかりすべきだ」など県の不作為を批判する声が多く上がった。
これに対して嘉田知事は「県としては浸水危険区域指定するところから予算を入れたい」と述べた。
これについて嘉田知事は説明会の後、報道陣に対して「地先の安全度マップで危険性の高い所から(堆積土砂の除去などの維持管理を)行う。ただし、宅地のかさ上げとか、避難所の設置は浸水危険区域の指定をしないと理由がつかない」と修正した。ただし、長浜市虎姫地域の田川カルバートの整備費用は「数十億円必要なので、すぐにはできない」とも述べた。
この発言について長浜市議会の市議は「住民が長年要望してきた河川整備を、県の流域治水条例案の踏み絵に使っているように受け取れ、嘉田知事の見識を疑う」と憤っていた。








