ダムより河川整備が有効
◇全県
国土交通省近畿地方整備局と水資源機構は十六日、長浜市の高時川上流で予定している丹生ダム建設事業の「検討の場」を大阪市内で開き、「ダム建設を含む案は有利でない」とする総合評価を滋賀県や長浜市などの関係自治体に示した。今後、有識者の意見を聞きながら、国交省が正式決定する。
これを受けて嘉田由紀子知事は、国営のダム計画の方針が定まらないため、高時川と姉川の河川整備に手をつけられなかった経緯を指摘し、「ダムに代わる河川改修は国直轄でしてほしい」と国の負担を求めた。
また、早期完成を求めてきた地元自治体・長浜市の藤井勇治市長は「非常にやるせない。誠に残念」と厳しい表情で述べ、「国が責任もって河川改修に対応する担保を明示してほしい」と迫った。
これに対して同局は、現行制度上、国直轄で改修するのは難しいとしながらも、「ダム中止に伴う改修事業については誠心誠意支援させてもらいたい」と回答した。また、これまで家屋移転など協力してきた旧余呉町の地元住民に対しては、「丁寧に説明をしていきたい」とした。
同ダムは、高時川と姉川の洪水を調整する治水対策のほか、下流府県の利水目的のため、昭和六十三年から事業着手され、平成八年には水没地域の家屋四十戸の移転が完了した。
しかし、平成十七年、国交省近畿地方整備局の諮問機関である淀川水系流域委員会は「中止が妥当」と判断し、同省は多目的ダムから治水限定の方針を打ち出した。建設費の一部を負担する下流の大阪、京都、兵庫の三府県も水需要が減ったことを理由に、利水事業から撤退している。
嘉田知事は会合後、整備局の評価を「重く受け止める」とし、高時川と姉川の河川整備計画の策定に「早急に入りたい」と述べ、引き続き国へ財源支援を求める考えを示した。







