県防災計画に対して意見書提出
◇全県
日本科学者会議滋賀支部の原子力災害専門委員会(委員長=西山勝夫・滋賀医科大学名誉教授)は先月二十八日、県地域防災計画原子力災害編の改定案に対して、福島第一原発事故並みの事故を前提していることは「過小」とする意見書を、嘉田由紀子知事宛てで県へ提出した。
日本科学者会議は、各分野の大学教員や大学院生、医者らで構成する組織で、今回の意見書は、県の同案への意見募集に応じて提出されたもの。
意見書によると、県が地域防災計画の前提としている福島第一原発の事故について、「国の原子力規制委員会において究明されているところであり、(中略)原因究明への着手はおろか、事故の収束の目処すら立たず、同発電所以上の事故は起こりえないなどといえる立証は全くなされていない」とした。
その上で、「東京電力福島第一原子力発電所には複数基の原子炉があり、程度の差こそあれそれぞれ制御不能になり、波状的ではあるが放射性物質を出した」ことを踏まえて、県の計画では「福井県には(中略)計十五基の原子炉が密集しているにもかかわらず、これら全原子炉が制御不能という事態は想定していない」として、「十五基すべての原子炉において推定放出量以上の事故が発生するという事態を想定した計画も必要なことに言及し、その計画に速やかに着手すべきである」と指摘した。
このほか、放射性ヨウ素の琵琶湖水への影響について、「通常時の飲料水基準(一リットル当たり一〇ベクレル以下)になるまでの日数などの評価・判定結果を公表し、対策の計画にいかすべき」といった意見なども盛り込んだ。
西山委員長(70)は、「事故原因が十分解明されていない中、福島第一原発以上の事故が起こらないとは証明されていない。最悪の事態を想定すべき」と話していた。(高山周治)







