三日月氏知事選勝利を追う(3)
●安倍首相に泥塗る
安倍晋三首相は七月十四日の衆院予算委員会で、滋賀県知事選で自民、公明推薦の小鑓(こやり)隆史氏が敗れたことについて、「集団的自衛権の議論が影響していないと申し上げるつもりは毛頭ない」と民主党の海江田万里代表の質問に答えた。安倍首相にとって、屈辱的な答弁だった。
自民党の石破茂幹事長が滋賀県にへばりつき、国会議員も総勢二百人を投入した滋賀県知事選。しかし、結果は敗北で終わり、自民党県連は石破幹事長や安倍首相の顔にも泥を塗り、全国に恥をさらした。
「知事選は県会議員が仕切る」と大見得を切り、吉田清一選対本部長、家森茂樹自民党県連幹事長(当時)、二人の指南役の清水克実同党県連事務局長らが仕切った今回の知事選。
「集団的自衛権容認の閣議決定の影響はあるにはあったが、むしろ敗因は選対本部の戦略ミスですよ」と県連有力関係者は指摘する。
●大岡氏VS家森氏
これを裏付ける出来事があった。意外な苦戦に慌てて七月四日、党本部の河村建夫選対委員長を交えた選対会議が開かれた。
家森県連幹事長は第1選挙区支部長の大岡敏孝代議士に「大津で大規模(千人程度)な集会をしてほしい」と要請した。
これに対し、大岡代議士は「個人演説会に同じ人を集めても意味がない。もっと無党派層に食い込むべきで、本人を駅に立たせて、そのために数多くの人に会わせたい。第1選挙区はきちんとやります」と大岡代議士が切り返すと、家森県連幹事長が睨(にら)みつけ、一発触発の状況に。結局、大岡代議士が押し切った。
●大岡氏に軍配
知事選の得票結果で、小鑓氏が三日月氏に勝ったのは、大津市・高島市の1区選挙区のみだった。大津市で三千五百二十四票、高島市で三千三百三十六票の計六千八百六十票差を三日月氏につけた。大岡代議士の戦略に軍配が上がったのだ。
●女性部軽視の選対
同党県連の女性部の人たちが大津市馬場の選対本部に入って「電話作戦にきました」と挨拶しても、誰一人として、「ご苦労さんです」の挨拶もなく、帰り際に「失礼します」と声をかけてもスタッフは知らんぷり。これには女性部はみんな切れたという。
「私は県連副会長で、かつ女性部長として選対本部役員なのに、選対会議に副部長ともども一度も声をかけてもらっていない。女性を軽視しているとしか思えない。今回の敗北に対し、吉田、家森両県議は会派代表や県連の役を降りるなど明確な責任を取るべきです。また女性市議への吉田県議のパワハラ発言が事実なら、大変なことになりますよ」と県連女性部長は憤る。
ようやく八月二日、同党県連は知事選を総括する会議を開催する。
(石川政実)







