【草津】 草津市西大路の医師・中神源一さんが昨年12月17日、亡父が収集していた県にゆかりの深い書画や版画123点を県立琵琶湖文化館に寄贈したことを受け、このほど、三日月大造知事から中神さんへ感謝状が贈られた。
中神さんの父・良太さんは家業である開業医の傍ら、郷土史家としても熱心な活動を行っていた。特に、草津市を中心に、県にゆかりのある芸術家や作品をコレクションし、1973年には、草津市出身の画人・横井金谷らが草津市域などを描いた浮世絵版画など、良太さんのコレクションが「中神コレクション 横井金谷展」と銘打たれ、当時の県立琵琶湖文化館で企画展が開催されるなど、地域でも著名な文化人だった。
1993年に良太さんが亡くなり、源一さんらが遺品の整理をしたところ、浮世絵など約500点が発見され、翌94年に草津市へ寄贈され、同市立草津宿街道交流館(草津市草津3)などで活用されている。
今回は、良太さんの家を整理した際、従来知られていなかったコレクションの一部が新たに発見され、同市市域以外の近江にゆかりの深い作者やテーマに関わる作品も多く含まれていたことから、源一さんの好意により、新たに県と市に分けて寄贈された。
寄贈品は最古のもので室町時代の作品をふくみ、大半が江戸時代から昭和期までの近江に関する書画121点と版画2点。主な寄贈作品例として、江戸時代に現在の東近江市で生まれ、近世臨済宗の名僧として知られる東嶺円慈が僧の持ち物である如意の図を描き、余白に賛(解説文)を書き添えた作品「如意画賛」や、大津市出身で長浜市にもゆかりのある日本画家・杉本哲郎の作品「白雨一過図」、近江聖人として知られる中江藤樹の門弟の中でもっともよく知られる江戸時代初期の儒学者・熊沢番山を描いた作品としては珍しい系統の木畑坦斎賛、胤彦画「熊沢番山肖像」、草津市出身の日本画家で帝展、新文展などで活躍した野添平米の扁額「生々堂」、新しい琵琶湖文化館の建設地でもある大津市浜大津の戦前の景観を版画で描いた徳力富吉郎の「三井寺より湖水を臨む」など。
感謝状の贈呈式は県公館(大津市京町4)で行われた。源一さんに表彰状を贈った三日月大造知事は「滋賀の文化に造形の深い偉人のコレクションを大事にします。新しい琵琶湖文化館でも展示を企画したい」と語った。
源一さんは「父もいつかは自身がコレクションした地域ゆかりの作品を地元の人に知ってもらいたかったと思うので、文化館で収蔵してもらえるのはうれしい」と述べている。







