旧優生保護法下の強制不妊手術関連文書の情報公開をめぐり
【県】 旧優生保護法下での強制不妊手術関連文書の情報公開について、県が文書内容の大半を非開示としたことを不服とし、このほど京都新聞の記者が県を相手取り、非開示決定の取り消しと開示の義務付けを求めるなどの内容で大津地方裁判所に提訴した。
訴状などによると、同文書に関し、県には1965年から76年にかけて10人分の資料が存在している。2017年、同記者が取材の一環として県知事に対し、同文書について情報公開請求を行ったところ、知事は18年に、該当者の本籍地や住所、氏名、生年月日、続柄、生活状況、発病後の経過、申請医師・指定医師の氏名、審査委員の氏名などを個人情報として非開示とする一部公開決定を行った。
これに対し、同記者は同年に行政不服審査法に基づく審査請求を実施。請求に基づき、県が県情報公開審議会に諮問したところ、同審議会は19年、「本籍地や住所、氏名、申請医師などの氏名は非公開情報だが、特定の個人が識別できない部分や指定医師の氏名、審査委員の氏名などは開示しなければならない」と答申した。
県が審議会からの答申で開示しなければならないとされたのは、全文書中449か所とされる。この答申に対し、知事は今年、審査委員の氏名や続柄などの一部については開示したが、それ以外の347か所について不開示を維持する裁決を行った。同記者らは「これらの情報は、公権力によって行われた人権侵害の実態解明と検証に不可欠」とし、県の決定の取り消しと開示などを求める訴訟を起こすこととした。
提訴後、原告団は県庁で記者会見を開き、経緯と訴訟の内容について説明した。原告団は「個人の氏名や住所などプライバシーに関する開示は求めていない」とし「経緯や申請に至った動機などを開示してもらわなければ、当時の強制不妊手術がどのようなものだったのか全く分からない。他の都道府県では開示している情報を滋賀県は非開示としていることについても司法の場で問うていきたい」と語った。
また、同審議会も答申の内容と異なった裁決が行われたことについて「答申に示された専門的かつ健全な社会常識を反映した判断をないがしろにし、答申尊重義務に明らかに反すると考えられる問題点がある」とし、裁決内容について県民に対して公開し、県の考えを公開の場で説明するよう提案する建議書を提出している。







