自治労と介護事業者などが緊急要望 感染発生施設への応援体制など11項目
【全県】 県内で8月以降、高齢者施設の新型コロナウイルス集団感染(クラスター)が相次ぐ中、自治労県本部と滋賀地方自治研究センター、介護事業者はこのほど、「介護崩壊を防ぐための緊急要請」を三日月知事に提出した。要請文には「行政がリーダーシップをとって、人的にも物的にも不十分な現状を改善する思い切った施策を講じない限り、『介護崩壊』する危険性が極めて大きい」と指摘する。(高山周治)
11項目にわたる緊急要請で「肝」となるのが、▽「人員派遣等、感染が発生した事業所への応援体制の構築」、▽「事業所による地域横断ネットワークの形成」、▽「行政のリーダーシップの発揮」―の3項目。
介護現場は、平常から慢性的な人手不足で、集団感染が発生すればひっ迫するため、人員確保が最大の課題だ。
このため行政が旗振り役となって、介護、医療、事業者団体などのネットワークをつくり、人員派遣などの応援体制が求められる。
モデルとなる仕組みが、湖南地域4市の介護事業者が立ち上げた「B―ICAT(ビー・アイキャット)(びわこ感染制御支援チーム)」。包括連携の内容は、マスクなどの感染防御資材の備蓄や陽性高齢者入居専用施設の確保、陽性者に対応する専門職集団の形成など。
この取り組みは、すでに成果を上げつつある。県内初の介護事業所のクラスターが8月3日発生した特別養護老人ホーム「レーベンはとがひら」(甲賀市)には、医療チームのほか、同じ運営法人の系列施設から介護職員が入り、通常より手厚い態勢で施設内療養する利用者を支えた。
一方、特養の応援で職員が不足した系列施設には、派遣要請を受けたB―ICATと連携する県老人施設協議会が支援の軸となり、他の介護事業所の職員延べ約60人が8月末まで入り、サービスを継続した。
プロジェクト副代表の小川義三氏(近畿予防医学研究所)は、「医療支援に比べて介護は遅れている。県がリーダーシップをとって連携体制を早急につくってほしい」と求めるとともに、「クラスター対策の次の課題は、併設のデイサービスがストップして行き場を失った利用者の他施設での受け入れなど、在宅介護を守る仕組みが求められる」と指摘する。
(連載おわり)








