春先の全層循環が起きなかったことの影響か
【県】 県は9月30日に実施した琵琶湖の水質調査で、琵琶湖北湖の第一湖盆(水深約90メートル)における底層溶存酸素(底層DO)が、7地点中6地点で生物が生存できる指標となる1リットル中に2mgを下回り、そのうち5地点で1リットル中0・5mg未満の値となる観測史上初の状況を確認したことをこのほど発表した。
続いて10月6日の調査でも5地点中全地点で2mgを下回り、0・5mg未満の地点も観測された。さらに12日の調査では7地点中全地点で2mg以下となり3地点で0・5mg未満となった。また、9月30日の調査では、水深80メートル地点でも一部で2mgを下回り、10月12日の調査でも継続して低い数値となった(表参照)。
県によると、北湖では例年春季から初冬にかけて形成される水温躍層の影響で上層と下層の水の対流が無くなるため、底層DOが低下し、晩秋に最も低くなる。その後、冬の水温低下と季節風の影響により、水深の浅い所から徐々に全層循環が起こり、表層から底層で水温やDOなどの水質が一様となる。しかし、2018年度と19年度では、全層循環が確認されておらず、秋の底層DO低下の数値を注視していた。
貧酸素状態による生物への影響については、水深90メートル地点でエビ類やイサザの死亡個体が確認されるようになった。
県では、水深90メートル地点の酸素はほぼなくなり、貧酸素の範囲が水深80メートル地点まで広がりつつあると分析し、「ここまで溶存酸素が低下した状況は、過去に観測されたことがない」としている。また、漁業への影響については「現時点では限定的」とみている。
今後については「気象条件にもよるが、貧酸素状態がこのまま進めば、水深80メートル地点でも溶存酸素量が1リットル中2mgを下回る範囲がさらに広がる可能性がある」とし、「底生生物の生息数や密度数などを水深別に把握していき、引き続き、関係機関が連携し、調査・研究を進め、互いに情報共有することでしっかりと琵琶湖を監視していく」としている。







