検査目標1日3500件は机上の空論!?
【全県】 国内の感染状況は過去最多を更新する事態が続いている。東京、大阪など大都市で感染が広がり、今後、滋賀県など地方にも感染が拡大する懸念が深まっている。感染拡大に備えて、県内では11月から、かかりつけ医(診療所)が発熱患者の診察や検査を行う新たな体制が始まった。しかし開業医らからは「県は現場の苦労を知らなさ過ぎる」と悲鳴が上がっている。(石川政実)
冬の季節は、インフルエンザが流行するだけに、発熱患者が増加することにより、新型コロナウイルス感染の検査需要の急増が見込まれている。このため、これまでの「帰国者・接触者相談センター」(現・「受診・相談センター」)を介さずに、かかりつけ医で診察・検査できる新たな体制が加わり、県では11月から1日の検査数を2000件(ピーク時=約3465件)に拡充する目標を掲げている。
新体制では、発熱患者がかかりつけ医に電話相談し、県が指定している「診療・検査医療機関」の診療所で受診して、その場で陽性判定が可能な簡易キットによる抗原検査などを受けられる。
かかりつけ医が検査をできない場合には、検査が可能な医療機関や地域外来・検査センターを紹介する。
ピーク時の1日平均の検査体制目標は3465件(表参照)で、このうち診療所は1730件(注)となり全体の約半数を占める。県はまさに丸投げの診療所頼みなのだ。
ちなみに11月の検査実績は7067件で、1日平均が236件(PCR検査68%、抗原検査32%)にとどまっている。このうち診療所の検査実績は750件で、1日平均は25件にすぎない。
県では「11月はインフルエンザの流行がなく、検査需要が伸びなかったため」と言う。
しかし東近江市のある開業医は「診療所の検査実績が極端に少ないのは、診療所が検査をせずに、他の診療所や病院などに患者を回すケースが多かったのではないか。うちも採血に使う手袋の補充すらままならず、防護服もなかなか届かない。そんな中で発熱患者を診ているが、検査はしていない。私やスタッフが2次感染するのを避けるためだ。県は検査すると手を挙げた診療所が10月末現在で249あったとしているが、信じがたい。県から『検査を将来的にする可能性があるか』といったアンケートが回ってきたので、『可能性はある』と回答したが、『すぐにやる』とは考えていなかった。そんな診療所が結構あったはず。検査体制目標は机上の空論」と憤る。
湖南地域の開業医は「一番リスクが少ない方法は、開業医が発熱患者の診察を行い、検査はドライブスルー方式で地域外来・検査センターが実施して役割分担を明確にすることだ。治療は、検査で陽性となったコロナ患者は病院だが、検査で陰性ならば開業医がするという仕組みにすれば、2次感染を防げる」と県に政策転換を迫る。
(注)発熱患者を検査すると手を挙げた249診療所から県が1日に検査できる時間を聞いて積み上げた数字が693時間。1時間で平均2・5件検査できるとし、693時間に掛けたのが約1730件。







