漁師がクラウドファンディングで支援呼びかけ
【高島】 老朽化した旧漁業倉庫を改修し、地域の歴史を感じながら湖魚の魅力発信や様々な人が気楽に過ごせる場所へ生まれ変わらせようと高島市マキノ町海津の漁業「中村水産」の中村清作さん(36)がこのほど県庁で記者会見を開き、改修資金を募っているクラウドファンディングへの協力を呼びかけた。
同倉庫は、80年以上前に建てられたとも伝わる木造2階建ての建物。以前は漁の水揚げ場などとして活用されてきたが、40年ほど前に新しい水揚げ場が整備されて以降は空き家状態となっていた。正面のよろい戸に大きく「海津漁協」と記されているのが特徴で、2008年に国が指定した重要文化的景観「高島市海津・西浜・知内の水辺景観」の構成要素にもなっている。
日頃から地域の活性化などにも取り組んでいる中村さんらが昨春、老朽化が懸念されている同倉庫をどうするか検討した際、土壁に穴が開いていたり、瓦が落ちたりとひどく破損していることが改めて分かった。同倉庫横は小学校の通学路にもなっており、安全確保のためにも早めの対応が求められた。
一方、建築士による調査では、同倉庫の屋根は木造トラス構造と呼ばれる三角形を基準に木材を組み合わせる建築方法が取り入れられていることも判明した。同構造は昭和期に多く用いられたが、現代では珍しい建築法で、同地区の文化的景観を伝える重要な要素であることも分かった。
同倉庫を解体撤去するにも改修するにもほぼ同等の金額がかかることも分かり、中村さんは「解体するより、歴史ある旧漁業倉庫の雰囲気を残し、漁業と人をつなぐ新しいスポットにできないか」と考え、改修に乗り出した。
改修後は、木造トラス構造や外観の雰囲気は残しつつ穴の開いた壁をガラス張りにして琵琶湖が一望できるようにし、地元ならではの湖魚料理が楽しめたり、誰でもビジネスや会議などで使えるコワーキングスペースなどとして活用することを検討しており、来春に着工、2024年のリニューアルを予定している。
今回、クラウドファンディングで呼びかけているのは、当面の改修に必要な約500万円のうちの300万円。残りは中村さんが工面する。3000円以上の支援者には支援金に応じてお礼の手紙・漁業体験・ビワマス炊き込みご飯のレトルト・漁業体験用漁船の命名権などのリターンを予定している。中村さんは「建物のファンになってもらい、漁協の魅力を感じてもらえる場所にしたい」と意気込んでいる。
クラウドファンディングの期間は今年中。支援はウェブページCAMPFIREの専用ページ(https://camp-fire.jp/projects/view/492018)から。






