日本政策金融公庫のマッチングイベント県で初開催
【大津】 地域で長年愛されてきた中小企業・小規模事業の経営者が実名(オープンネーム)で後継者を公募する日本政策金融公庫のイベント「事業承継マッチング」がこのほど県で初開催された。
同公庫では、事業承継を検討している小規模事業者が培ってきた技術・ノウハウなどの経営資源を円滑に引き継げるよう、多角的な支援に取り組んでいる。
一般的に、後継者不在の企業が第三者への事業承継に臨む際、店名などを伏せた匿名情報(ノンネーム)で行うことが多いが、実際に話を進めていくと、希望者側から「商品や店舗の雰囲気などがイメージと違った」などの意見が挙がったり、経営者と希望者のマッチングから承継成立まで時間が長くかかったりする課題がある。
同公庫でも従来、ホームページで掲載している後継者不在企業は匿名のノンネーム情報のみだったが、「企業名をオープンにして後継者を探してもいい」という企業からの声もあり、2022年8月からオープンネームでの掲載を選択できるようにした。また、それに合わせ、経営者が実名で登壇し、事業内容を希望者に紹介する同イベントを全国各地で開催。23年度まで19か所で実施しており、25年度までに沖縄県以外の全都道府県で開催を予定している。
滋賀県での初開催は県商工会連合会と県事業承継・引き継ぎセンターとの共催で大津市内のホテルを会場にオンラインで行われた。
会場では県内で事業承継を検討している、飲食業、食品販売業、リラクゼーション業などの経営者ら5組が登壇し、約200人の視聴者が見守る中、事前に撮影された紹介動画と口頭で店舗の立地や営業内容などについてプレゼンテーションを実施、視聴者から「観光客と地元住民の来店の割合は」、「店名の由来は」、「承継後に店名は変更してもいいのか」といった質問に応じつつ、「設備はそのまま使ってもらえるので初期費用が抑えられる」、「店の人気レシピは全部教える」、「地域のお客さんを大事にしてほしい」といった思いを伝えた。
各組のプレゼンテーション後、それぞれブースに分かれ、同公庫ら承継を支援するスタッフらとともに承継希望者とのより詳細な情報交換をする交流会も行われた。
大津市と守山市でサービス業を展開する男性は家庭の事情で店舗を離れることから今回のイベントに企業側として参加。希望者とのやり取りを終え「お互いに顔を見ながらやり取りすることで、自分も相手も気持ちがストレートに伝わると感じた。このイベントを機に事業を引き継いでくれる人とのいいご縁ができれば」と期待を寄せていた。
同公庫では、「価値のある企業が地域から失われていくのは大きな損失であり、後継者難の解消は喫緊の課題」とし、「オープンネームだとスピーディーに進む傾向がある。事業承継にはこんな手法もあることを滋賀県内にも広く認知してもらえるように取り組んでいきたい」としている。






