栗東市内の学童保育所でパワハラ疑惑
【栗東】 栗東市内のA学童保育所(民設民営)の代表から昨年7~8月に、当時小学2年生の高橋真由美さん(仮名)がパワハラを受けたと疑われる事案が発生して、急性ストレス障害になり、いまも通院する状況が続いている。市は、母親の圭子さん(同)から約1年2か月前にパワハラ疑惑の報告を受けながら、ようやく最近になって当時A学童保育所(以下学童)に通っていた児童たちにアンケート調査を行うといった対応の遅さに市民から批判の声が上がっている。(石川政実)
市の対応の遅れに市民から批判も
10月下旬から1年4か月ぶりにアンケート調査
圭子さんは昨年10月2日、同市子育て支援課に「娘がA学童で、座らされて謝罪を強要されたり、挨拶の仕方がなっていないと怒鳴られたりして、夏休み中から度々腹痛を起こし、時には代表の幻覚・幻影におびえて急に泣き出し、『死にたい』と口走ることもあった。このため同9月から別のB学童に移った」と深刻な状況を訴えた。そして同月3日、クリニックの受診で急性ストレス障害(現在は症状長期化で心的外傷後ストレス障害)と診断された。
しかし、この問題を担当した子育て支援課の係長(現在は別の係に異動)は10月2日以降、一度も圭子さんに電話をしなかった。
●県に母親がSOS
同年11月20日、圭子さんは県子ども青少年局(現・子ども若者部)を訪ねて、市の不適切な対応を訴えた。県は、市の子ども支援課に誠実な対応を要請した。
慌てた係長は同月21日、圭子さんに電話を入れ「真由美さんは治ったと思っていた。B学童からの報告書では出席日数が戻ってきていたので」と伝えると、「子どもがこんなに苦しんでいるのに見もしないで」と圭子さんの怒りが爆発した。
圭子さんの電話から約2か月間連絡しなかった理由について、係長は「高橋さんから携帯電話は教えてもらっていたが、折り返しの連絡をしてほしいとは聞いていなかった。そもそも高橋さんから行政になにをしてほしいか明確な話がなかった」と言い訳した。
係長の当時の上司、藤井真理子課長(今年度から議会事務局課長)は、係長が圭子さんの思いをきちんと受け止めていないことに遅まきながら気づき、今年2月末から圭子さんの担当を自らが行うことにし、圭子さんと初めて電話で話した。
●両者主張が平行線
そして3月21日、A学童の代表と圭子さん、藤井課長による3者会談がはじめて実現したが、代表はパワハラ疑惑を否定した。
A学童でなにがあったのか、真由美さんや圭子さんの証言、さらには代表が本紙に語った証言(カッコ内に記載)から再現してみよう。
高橋さん親子によれば、昨年7月末ごろ学童の部屋の端っこで、真由美さんら3人の児童が遊んでいると、折りたたみの机がバタンと倒れたため代表が学童の部屋に駆けつけた。その場にいた児童や少し離れて遊んでいた真由美さんらも呼ばれて、謝罪を強要させられたという。(代表は、机をしっかり組み立てていなかった支援員や机の上で遊んでいた男子児童に注意したが、その他の児童に注意したり、謝罪を強要したりはしていないと反論)。
また同8月31日、A保育園の職員室に、真由美さんら4人の児童が夏祭りに使う道具を借りに行った際、入室時に「失礼します」と言ったにもかかわらず、代表に「それは、お早うございますでしょ!」と怒鳴られ廊下に出てやり直しをさせられたとしている。
これについて代表は本紙に「今まで子どもを怒鳴ったりしたことはない。ただ挨拶についてはしっかり指導している」と述べた。
4月の人事異動で、子育て支援課の課長は山本新一氏に引き継がれたが、7月になっても山本課長らから電話は一切なかった。
●聞き取り調査不発
山本課長は「決して手をこまねいていたわけではない。4~5月には、A学童の現場に4回入り運営面をチェックし、支援員やアルバイト学生からは代表による児童へのパワハラ行為があったのか聞き取り調査をしたが、いずれも知らないと証言した。業務日誌も調べたが、机が倒れた日の記載がどこにもなく、日時の特定が出来なかった。学童の運営面の改善点は見つかったが、パワハラ疑惑は解明できずに調査を終えた」と釈明した。
市から連絡がなく、しびれを切らした圭子さんは8月8日、A学童を退所した約10人の児童や保護者から聞き取りを求める申入書を竹村健市長に提出した。
子育て支援課も重い腰を上げ、A学童を退所した児童8人に先月22日から今月4日までアンケート調査(質問用紙を児童の自宅に郵送)を実施し、現在は集約中だ。パワハラ行為が疑われる事案の発生から約1年4か月が過ぎ、児童の記憶も薄れ事実確認が困難視される中、市の対応の遅さに市民はあきれ顔だ。






