第3者委員会設置求める
【栗東】 栗東市は昨年7月2日から9月6日、民設民営の学童保育所(児童定員40人)を4月から開設予定の事業者を治田、治田西、葉山東の3学区で募集したところ、治田学区で1社が決まったが、他の2学区は不調だった。このため10月10日~11月8日、2次募集を行ったが応募はなく、市に衝撃が走った。そこで隣接市の学童関係者から、栗東市の現状をどう見ているのか聞いてみた。(石川政実)
【栗東市の民設学童における児童虐待疑惑概要】A学童保育所に通所していた高橋真由美さん(仮名)によれば、一昨年7月末、男子児童が乗っていた座卓が倒れ、学童の代表が男子児童や離れて遊んでいた真由美さんら全員を集めて謝罪を強要。同年8月末には、真由美さんらが職員室に道具を借りに行って入室時に「失礼します」と言ったところ、「お早うございます、でしょ」と怒鳴りつけてやり直しをさせたという。その後、真由美さんは心的外傷後ストレス障害になり、現在も治療中である。これに対し学童代表は、そのような事実はなかったと否定したため、市は「事実確認が出来ない」と繰り返している。
草津市で民間の学童事業所の責任者は「国は今年度から、学童の常勤職員2人制を新たに設けている。国の基準に合わせている栗東市の運営費補助金は表のように473万4千円→655万2千円と増加し、草津市や守山市との差は縮まった。しかし運営費補助金だけでなく、学童支援員の処遇改善事業の補助金一つとっても、賃上げ率をこまめに聞いて市の来年度予算に反映しようとする姿勢や、先日もある学童で指導員が児童に暴言を吐いたといった情報があり、すぐに民設の各学童施設をその日のうちに回るなど、フットワークが軽い」と語る。
それに比べ「栗東市は、児童の保護者が1昨年10月に市に児童虐待疑惑の連絡をしていても、2か月後に県から要請を受けるまで保護者へ電話連絡をせず、学童へ立ち入り調査をしたのも昨年4~5月になってからだ。児童の不適切保育疑惑が発生してから約1年6か月、栗東市はいまだに『事実の確証が得られない』と繰り返すばかりだが、草津市議会では、こんなことは絶対に許されない。今のままではA学童代表者に忖度(そんたく)して、初動対応を遅らせたとの誤解すら招きかねず、次回の学童事業者募集にも影響するかもしれない」と警鐘を鳴らす。
これに対し栗東市の子育て支援課の山本新一課長は「咋秋に募集をかけ2学区で応募がなかったのは、補助金額の問題でなく、適当な空き物件がなかったからだ。市がA学童代表者に配慮して、初期対応を遅らせた事実はない」と反論する。
児童虐待を受けたとされる高橋真由美さん(仮名)の母親の圭子さん(同)も「娘が虐待にあったことを知っているのは栗東市議の3分の1ぐらいだが、知らない人も含めて誰も動いてくれない。市選出の県議2人も同様で、まさに“見て見ぬ振り”ばかりだ。市議会にはもっと関心を持ってもらい、第3者委員会の設置がされるよう働きかけて真相解明を進めてほしい」と市議会に一抹の期待を寄せる。
(注1)栗東市の場合は、今回のように半径5百メートル以内は送迎費補助は行っていないが、距離が超える場合は52万1千円を補助
(注2)守山市は、送迎の補助はしていない
(注3)大津市では送迎を制度として補助事業に盛り込む
(注4)運営費は4市とも常勤職員2人以上。野洲市は、民間民営がないため除外。事業費は、国、県、市が負担する
お知らせ
本紙はこれまで、“栗東市の学童における児童虐待疑惑”について、昨年11月14日付「女子児童が深刻な急性ストレス障害」、同12月12日付「栗東市 定例会見で初動対応の遅れ認める」、12月26日付「母親『元気だった子に戻して!』と詰め寄る」の計3回、連載しました。関心のある方は、本紙のホームページでご覧ください。







