「近江・坂本の町屋 旧岡本住宅解体記―解体から再生へ―」
【大津】 地域研究に取り組んでいる須藤護氏(大津市坂本3)と横田雅美氏(同市大萱1)の両氏が共著で市内に残ってきた町屋の解体から郷土や日本文化について考察を深める1冊「近江・坂本の町屋 旧岡本家解体記―解体から再生へ―」(サンライズ出版)をこのほど発行した。
表題にもなっている旧岡本家住宅は、日吉大社の門前町として栄えた同市坂本の目抜き通り沿いで明治時代から現代まで受け継がれてきた建物。昭和10年代には滋賀銀行坂本出張所として用いられたこともあり、直近は須藤氏が居宅として暮らしている。2023年3月、道路拡幅の影響で解体され、新たな姿に再生された。同書はその解体の過程を通して町屋の発展・進化と職人の技術・道具などについて考察を行い、町屋を形成した人々の足跡をたどる。
解体工事中、両氏は工事業者の許可の下、足しげく現場に通い、2人で合わせて10万枚以上の写真を撮影。町屋の細部に至るまで記録に残した。同書にも当時の写真がふんだんに使われている。
また、須藤氏はこれまで著書「穴太衆積みと近江坂本の町」、「日吉御田神社・宮番の記」(いずれもサンライズ出版)を出版しており、今作は須藤氏の坂本3部作の集大成にもなっている。
このほど、須藤氏と横田氏が県庁で記者会見を開き、同書をPRした。須藤氏は「変化の激しい現代に、かつての日本人が作った技術の在り方や職人がきちんと地に足を付けた建物が、地域の生活にもつながっている日本の町屋について知るきっかけになれば」と期待を語り、横田氏は「記録した一つずつから学んだことを地域の人にも伝えたい」と述べた。
同書はA5判、240ページ。2530円。県内の主な書店を中心に全国の書店とインターネット書店で販売している。同書に関する問い合わせはサンライズ出版(TEL0749―22―0627)へ。






