学童保育所児童虐待疑惑の情報公開でミス連発
【栗東】 栗東市の女性市議が自らの背中から臀部の一部まで映った身体治療の写真と不適切な文言をSNSに投稿したとして20日に栗東市議会は政治倫理審査会を設置したが、片や市でも情報公開請求者に対する文書に市長印が押印されていなかったり、同じ不服審査申請者に市が送った文書も住所を間違ったりとミスが相次ぎ、市民からは「議員も議員なら、行政も行政」との声が強まりそうだ。(石川政実)
市長公印の押印忘れや請求人の住所間違い
本紙記者は昨年10月24日、市内にあるA学童保育所の元利用者の保護者の高橋圭子さん(仮名)が、娘が人権侵害などを受けてストレス障害になったと訴えたことに対する行政対応について、市に情報公開請求を行った。
同市の情報公開条例では、開示請求があった日から15日以内(同年11月7日以内)に情報の公開または非公開にするかの決定を行ない、この決定については書面で請求者(本紙記者)に通知しなければならないとされる。
しかし、子育て支援課の前課長は同年11月6日、「情報公開は期日(11月7日)までに間に合わない」と口頭で説明したが、期日までに書面で公開、非公開の通知はしなかった。
ただ条例では、やむを得ない理由で期間内に決定が出来ない場合は、その期間が満了する日の翌日(同年11月8日)から起算して30日を限度に期間を延長できるとし、市は延長の期間、理由を速やかに請求者(本紙記者)に書面で通知しなければならないとしている。
●延長通知書もなし
しかし同年11月8日以降も、市から記者に「決定期間延長通知書」は交付されなかった。痺れを切らした本紙記者は同月18日ごろに子育て支援課に連絡。同月20日、26日の2日間、前課長と市役所で面談して情報公開が遅れた理由の説明を求めたが、納得できる内容ではなかった。
この理由について、子育て支援課の前課長は「昨年10月24日に受付した情報公開文書には、個人情報が記載されており、このままでは、市は公開請求書を拒否することになると判断した。このため、請求書を補正(修正)した上での情報公開の期間延長するか、市が情報公開を拒否して、申請者に再度請求してもらうか、記者に確認することになると認識していたにもかかわらず、確認作業を怠った」と釈明した。
本紙記者は前課長から「ミスを二度と起こさない」旨の謝罪文を受け取ったことで、同月28日を期間延長決定日にすることを認めて、同年12月9日に請求書の補正(修正)をして情報開示がなされることになった。しかし市による情報公開のミスは、その後も相次いだ。
●4月に不服審査請求
前述の栗東市在住の高橋圭子さんも昨年12月27日、A学童保育所代表から娘が人権侵害を受けたと市に訴えたことへの行政対応や協議文書の情報公開請求を行った。
子育て支援課は今年2月3日、高橋さんに「保有個人情報(注)開示決定通知書」を交付した。写真1では、「栗東市長 竹村健 印」とあるが、本紙が点線で囲んだ印の部分には、市長の公印が押印されていなかった。
高橋さんは4月23日、「今回開示された内容は、私が発言したことと違うことが多々ある。また担当職員に対して何度も何度も伝えたことが不存在になっており、これは市の不作為といえるものだ。また開示された文書のうち、『保有個人情報開示決定通知書』については市長の公印が押印されておらず、正式なものとは認められない」として、行政不服審査請求を行った。
ちなみに審査請求があれば、市は条例に基づき市情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければならない。
市総務課から7月29日、高橋さんに不服審査請求書の書き直し(補正書)の指示文書が送付されてくる。写真2は、その時の郵便物だが、高橋さんのあて先の住所は「東市市●●●」とメチャメチャなものだったが、郵便番号でなんとか本人に届いたと見られる。
高橋さんは「これが市民の知る権利を保障する情報公開制度を司る総務課なのか。相次ぐミスは情報公開制度への冒涜だ」と憤る。
今まさに竹村市長の本質が問われているのだ。
(注)保有個人情報開示=行政機関が保有する個人の情報を本人に対して開示する制度で公開度は高い。それ以外は一般的な情報公開として開示される







