滋賀県子どもの権利委員会を設置
【県】 県は電話などの相談だけでは解決しない子どもの権利侵害に対し、弁護士や心の専門家などの委員が解決に向けた活動などを行う「滋賀県子どもの権利委員会」を今月1日に設置した。都道府県単位では全国で5例目となる先進的な同委の取り組みに関心が高まっている。
同委は、今年3月に「子どもの権利を守り、誰ひとり取り残すことなく、滋賀の全ての子どもが自分らしく、健やかに、安心して育ち、子どもと子どもを取り巻く全ての人が笑顔で幸せに暮らすことができる滋賀の実現を目指す」として公布された「滋賀県子ども基本条例」に基づいて設置された。
専門家らが個別救済へ調査・調整を実施
県の課題を知事に制度提案することも
県では、子どもや保護者が「辛い・苦しい・困った・助けてほしい」などと感じた際、どんな悩みや心配事でも相談できる電話窓口「こころんだいやる」(子ども専用TEL0120―0―78310、おとな用TEL077―524―2030)を設置し、様々な相談に対応している。今後は同窓口だけでは解決しないと判断される子どもの権利侵害事案に対し、定期的に開催される同委で解決に向けた調査・調整を行うほか、県独自の試みとして個別救済の過程で明らかになった制度的課題などについて知事に提案も行う。また、委員による出前講座の実施など、子どもの権利に関する周知啓発も実施される。
三日月大造知事が「人選には相当関与した」とする委員には、京都女子大学発達教育学部の浦田雅夫教授(心理分野)、NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク・しがの久保宏子理事(社会福祉分野)、立命館大学の野田正人名誉教授(児童福祉分野)、公益財団法人滋賀県人権センターの森由利子副理事長(教育・人権分野)、草津法律事務所の山本久子氏(法律分野)の5人が委嘱された。
第1回同委は県庁で開かれ、各委員への委嘱状交付と県当局から委員会の役割の説明がされた後、野田名誉教授が委員長に選ばれた。
また、三日月知事もオンラインで参加し、冒頭のあいさつで「一人ひとりの子どもたちが主体として、社会の一員として、未来への希望として育っていけるよう、この委員会を運営していきたい」と語った。
協議では、まず取り組みの姿勢などについて意見が交わされ、委員らからは「県の条例などが子どもにきちんと届くことが大事」、「絶えずこれでいいのかという対話を重視していきたい」といった意見が挙がっていた。その後、具体的な事例とどう向き合うかなどが非公開で協議された。
委員会終了後、記者団の取材に応じた野田委員長は「委員会の役割は個別救済と合わせて県民に子どもの権利の趣旨を理解してもらうための手伝いをすること」と述べ、「ここを県の窓口の一つとしつつ、県全体のレベルアップを図りたい」と語った。






