税制審議会が三日月知事に答申
【県】 県が導入を検討しているいわゆる「交通税」に関し、県の税制審議会(会長・諸富徹京都大学大学院教授)がこのほど、三日月大造知事からの「みんなの移動を支え、暮らしを豊かにする新たな税のあり方について」とする諮問に対し、「これまでの県の取り組みには評価する一方、具体性という点において、十分に議論が深まったとは言えない」とし、「議論の熟度をより一層上げるべく、施策とその費用負担について具体的な姿を提示できるように検討を進めるべきである」と取りまとめた答申を行った。
知事室で諸富会長から答申を受け取った三日月知事は、「中身を十分分析させてもらい、次にどういう諮問をするか鋭意、至急検討する」と述べた。
同答申では、諮問事項に含まれている新たな税のあり方の観点から、今後の施策や費用負担についての具体的な検討の中で留意するべき点として次の7点を挙げた。
(1)計画やそこに織り込まれる施策は、県民の望む暮らし方の実現につながるものでなければならない。
(2)受益を一人ひとりの県民が認識できるよう、地域ごとに便益を言語化し、県民に分かりやすくする必要がある。特に、経済的な観点からみた便益についても説明が求められる。
(3)新たな税を導入しようとする場合は、まず交通体系の適正化とコストの縮減に最大限努めることが求められる。あわせて、税の意義を説明し、県民の理解を得る努力が必要。
(4)税の使途については、地域の実情を踏まえた地域交通の充実のための施策に充当することが望ましい。また、その税が与える政策的効果を定量的に検証する仕組みが必要。
(5)新たな税を既存税目への超過課税方式とする場合の税目ごとの議論は、施策の受益者やその効果をふまえて検討することが必要。
(6)現行の超過課税も含めて過度な税負担となっていないか検討することが必要。
(7)国の動きと協調しつつ、国の財源も活用しながら進めていくことが必要。
答申書を手渡した諸富会長は「議論の中でしっかり、公共交通を軸としたまちづくりをやっていくことが大事だ」と述べた。
県では11月にもう一度、税制審議会を開き、次の諮問を行うとしている。
答申後、記者団の取材に応じた三日月知事は、「いずれも重要な留意点を示してもらった。これに答えられるように方向性を出していきたい」とし、「県では今年度中に策定する『地域交通計画』の中で、目指す公共交通の姿の実現のための財源として、必要であれば、新たな負担についても示していくべきではないかとしている。まずは次の税制審議会で議論してもらえる内容について、より具体的に諮問させてもらいたい」と語った。






