副生物組合と食肉公社の裁判、14日に判決
【全県】 近江八幡市の滋賀食肉センターで、牛の内臓洗い(ホルモン処理加工)を行っている県副生物協同組合の従業員(23人)代表2人が先月30日、滋賀食肉公社の理事長でもある東勝副知事を県庁に訪ねて、「今後も牛内臓洗いの仕事が続けられるようお願いしたい」との嘆願書を副知事室の秘書に提出した。(石川政実)
県理事、台湾出張から帰庁後に
「軽易」と判断し文書での復命せず
県主導で2007年に開設された滋賀食肉センターでは、滋賀食肉公社が同センターの管理運営(施設使用料の徴収)、(株)滋賀食肉市場が同センターで牛のと畜解体、県副生物協同組合が内臓処理を行っている。
しかし、食肉センター開設当初から、県のと畜計画の大幅な見込み違いにより、食肉市場と副生物組合の財政悪化を招き、副生物組合の施設使用料未払い金も膨れ上がった。
食肉公社は20年12月、副生物組合に21年4月から同センター施設使用契約書の契約更新拒否を一方的に通知した。このため副生物組合は21年2月、食肉公社に対し「契約は賃貸借契約で、更新拒否は認められない」と大津地方裁判所彦根支部に提訴した。
食肉公社は「この契約は業務委託契約であり、更新拒絶により終了した」とし、逆に副生物組合に「施設使用料の未払金を支払え」と同彦根支部に訴えて係争中だが、裁判は今月14日に判決が下りる。
ちなみに食肉公社は昨年12月の理事会で「副生物組合の滋賀食肉センターからの退去を求める方針のもと、裁判所に早期の判決を求める」と和解拒否の決議をした。
23年2月定例県議会で、江島宏治前副知事(食肉公社前理事長)は「裁判所から和解の働きかけがあれば、(副生物組合が)持続可能な運営ができるか検討する」と答弁をしていただけに、違和感が否めない。
副生物組合では「食肉公社の和解拒否には、理事の県家畜商業協同組合や県の働きが大きかったのでは」と見ている。
この14日に判決が下りて、もし副生物組合が敗訴して立ち退きを迫られる事態になれば、同組合の従業員は仕事を失う。
従業員代表の一人、杉本純氏は「私たちは副生物組合以外で働くことは考えていない。現在の牛内臓洗いの仕事が続けられるようお願いしたい」と訴えた。
●国の会計監査にどう申し開き?
一方、近江牛の生産者と輸出事業者が連携し、台湾における近江牛のプロモーション活動などを行う「近江牛輸出コンソーシアム(共同事業体)が21年10月、県庁内に設立された。構成員は、生産者、輸出事業者、食肉公社、県からなり、事務局は県が担当。会長は、県理事(部長級)のW氏が務める。
また、同コンソーシアムの財源は、国の補助金を活用しており、22年度から毎年度約2千万円が計上されている。
「近江牛」台湾プロモーション事業は今年2月19日~21日、台湾で実施されたが、同コンソーシアム構成員からの参加依頼(文書依頼ではない)で、県からW理事が同コンソーシアム会長として3日間、近江牛のPR活動などをした。
県職員服務規程では、職員が公務旅行から帰庁した場合は、文書でもって出張命令者に「復命」(報告)しなければならない(ただし、特殊または『軽易』なものは、口頭で復命できる)。
だがW理事は、台湾出張から帰庁後も復命書を出さず、江島前副知事に口頭で報告しただけだった。
W理事は本紙取材に「今回の台湾プロモーションでは、イベントなどで挨拶やPR活動を行ったもので、具体的な成果があったわけでなく、県職員服務規程の『軽易』に当たると判断し、文書での復命はせず、口頭にした。何もかも復命書で報告していたら、県庁の事務が増えるだけだ。また、海外出張旅費も県費でなく、コンソーシアム運営費からの支出だ」と弁明した。
これに対し、自民党有力県議は「今回のW理事の台湾出張旅費は10万8千円に上り、この海外出張がとても『軽易』で片づけられない。その旅費が、県費でなく国の補助金から支出されるとしても、国民の税金には違いなく、きちんと説明責任を果たす必要があり、復命書がないこと自体おかしい。国から年間2000万円もの補助金が出ているのに、だれが責任を持って管理しているのか疑問だ。もし、このコンソーシアムに国の会計監査が入れば、復命書がないことにどう申し開きをするのか。これでは、県と業界の癒着の疑いすら抱かれかねない」と憤っていた。






