栗東市の学童問題も調査対象に決まる 女子児童、約2年半経とうとする今もストレス障害
【全県】 子どもの権利を守ろうと県は3月に「県子ども基本条例」を制定し、この条例に基づき10月1日、知事の付属機関「子どもの権利委員会」を設置して1か月半が過ぎようとしている。県の相談窓口「こころんだいやる」(子どもTEL0120・0・78310、大人TEL077・524・2030)だけでは子どもの権利侵害が解決せず、子どもや保護者が県に申し立てをし、知事が委員会に調査を求めたため、委員会は10月に検討して2~3案件を調査対象にすることを決め、現在、子どもから聞き取りなどの調査が始まっている。この中には本紙が連載を続けてきた栗東市の学童保育所での子どもの権利侵害疑惑案件も含まれていることが分かった。 (石川政実)
同委員会の流れ(図参照)は、子どもの権利侵害が発生し、当事者の子どもや保護者から、県の「こころんだいやる」に電話などで相談がなされ、そこで解決できずに、当事者から調査の申し立てが行われた場合、知事は調査が必要と認めれば、委員会に調査などを求める。
これを受けて、委員会が開かれ、調査対象にするか、どうかを判断し、要件に適合すれば、調査調整の方針確認や案件に合わせて調査委員の選定を行う。
委員会の委員は、浦田雅夫・京都女子大学発達教育学部教授(心理分野)▽久保宏子・NPO法人子どもの虐待防止ネットワーク・しが理事(社会福祉分野)▽野田正人・立命館大学名誉教授(児童福祉分野)▽森由利子・公益財団法人県人権センター副理事長(教育・人権分野)▽山本久子・草津法律事務所(法律分野)の5人で、案件ごとに委員の中から調査委員を選定する。今回、選ばれた2~3案件は、同時進行の形で調査・調整などが進められている。
また、委員会は、子どもや保護者の同意を確認して、調査や関係機関などとの調整を行い、調査が終了すれば、委員会から知事や当事者に結果報告を行う。必要があると認めれば、委員会から知事に制度の提案や、改善の措置を求める。
ところで、この2~3案件の中には、栗東市の女子児童の権利侵害疑惑問題が含まれている。
栗東市内のA学童保育所(民設民営)で1昨年7~8月、当時小学校2年生の女子児童によれば、同学童の代表者から、激しく怒鳴られたり、謝罪を強要されたりしたことで、現在も心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しめられているという。
女子児童の母親は何回もこの状態を同市に訴えたが、市は「学童保育所側が『そのような行為はしていない』と否定しており、事実確認はできなかった」を繰り返すばかりだった。
本紙では、昨年11月14日付から計7回、単独で、この問題を報じてきた。そのような中、今回、この事案が委員会の調査対象に決まったことは、女子児童や母親に希望の灯が見え始めたといえる。2年半近くもPTSDに苦しめられている女子児童には、一日も早い救済が求められる。
県子どもの権利室の清水仁室長は「来月中には、子どもの権利委員会が10月1日以降、2~3案件で調査・調整を始めていることについて、何らかの形で公表したい」と話していた。







