土地売買契約書をN氏の3男が発見
【野洲】 野洲市の市街化調整区域にある桜本直樹・野洲市長の住宅は、同市に居住のN氏(既に死去)が「自己用住宅」を建てる条件で県から2007年1月に開発許可を得て、同年9月に住宅が完成し、同年10月に桜本市長がN氏から買い取ったものである。しかし都市計画法ではN氏が用途変更などをしない限り、N氏以外の者が新築の住宅を買い取ることは出来ないはずだ。またN氏に開発許可が下りる直前の06年12月21日、桜本市長はN氏の所有地を一時購入し自分の家を建てようとしていたことも分かってきた。野洲市議会の最大会派“創政会”の一部には、来月2日から始まる12月定例市議会で再び百条委員会設置の決議を提案しようとする動きが出始めている。(石川政実)
桜本市長宅の都計法違反疑惑問題で
再び百条委設置の決議提案の動き
本紙は今年8月14日付けで「桜本氏の義母が本紙取材に対し『N氏は当初、3人の息子らの誰かと住もうと思って家を建てることにしたが、息子らにその意思がなく、新築の家を手放したと聞いた』と語った」と報じた。
記事を読んだN氏の次男は「父親が『一緒に住まないか』と私たち息子に話したことは一度もない。07年当時の父親は84歳で認知症も患っていたが、しっかり者の母親が常に父のそばに付いていただけに、なぜ父が何千万円も投じて家を建てたのか今も考えられない」と疑念を抱く。
N氏の3男も亡き母親が残した書類を調べると、06年12月21日、N氏の所有地(228平方メートル)を桜本市長に580万円で売却した「不動産売買契約書」(写真参照)が見つかった。そこで本紙はこのほど、桜本市長にN氏の土地を購入しようとした経緯などを文書で質問したところ、次のような答えが返ってきた。カッコ内は本紙が補足のため記入したもの。
◇ ◇ ◇
「05年中にN氏の知人が、妻の親(以下、親)が経営していたI工務店(草津市)へ『N氏が自分の所有地に家を建てたいと言っている』と紹介してきた。(N氏は06年8~9月、工務店任せで県と開発許可の事前協議を始めたと見られる)。
だが06年11~12月ごろ、Y不動産は親に『N氏が家を建てるのではなく、土地を売る、と言い出している』と告げた。私は親から『(野洲駅に近い)いい土地がある。今後夫婦で住む家を建てればいい。購入代金は出す』と勧められ、同年12月21日、N氏の土地を買い取ることにした。
しかし、同12月末にY不動産が「N氏は家を建てて住むから土地を売らない。契約はボツにしてくれと申し入れてきた」と親に相談。結局、契約を破棄し、当初計画通り、同工務店がN氏の家を建築する。
だがN氏の家が完成間近になった同年9月ごろ、親はY不動産から『N氏が家は要らないと言い出した』と聞いた。親は娘夫婦の家として購入する決断をし、私たち夫婦も承諾して同年10月26日、N氏と売買契約を結んだ(売買契約書では、桜本夫妻が同日、土地代金580万円と建物代金約数千万円をN氏に支払ったことになっている)。
その際、親や私もN氏の新築家屋が市街化調整区域内にあることについて、N氏が適法に自己用住宅として建てた後に第三者へ譲渡した場合、第三者はそのまま適法に居住できると解釈していた。かつ、この家に住むのについて親やY不動産から指摘を受けなかったので居住を続けた。
この9月3日に開催の野洲市議会で「桜本市長の住宅は都計法違反の疑いがある」として百条委員会を求める決議が出されたが、議員採決で否決された。
この決議を出した創政会の一人は「桜本市長が滋賀報知新聞への回答で、06年12月21日にN氏所有地を購入するきっかけに『親がここに娘夫婦の家を建てればいい』と勧めたことを挙げている。桜本市長や同氏の親は開発許可が下りる以前から、この土地に家を建てようとしていたことがポイントだ。またN氏の意向で同12月末に土地の買い取りを破棄したことを証明する文書なりを桜本市長は保有しているのかも重要だ。加えて07年10月26日、桜本氏はN氏と売買契約を結んだが、都市計画法上、市街化調整区域にあるN氏の新築家屋を買い取ることができないことを、建築業者の親は認識していた可能性がある。改選後初の12月定例市議会において一般質問などで議論を深め、もう一度、百条委の決議を出したい」と意気込んでいた。







