県は県税への超過課税検討も示唆 さらに十分な議論を深めることを求める声も
【県】 県は来年3月の滋賀地域交通計画策定に向け検討を進めている公共交通の充実に向けた公費負担について、目標とする2030年度には年間53億円の追加が必要となる概算をこのほど公表した。併せて、その財源には現行の税収基盤に加え、県税への超過課税を基本とする新たな課税方式を想定する方向性も示した。いわゆる「交通税」導入をめぐる検討が具体化してきた。(羽原仁志)
11月26日に県庁とWEBを介して開かれた第27回滋賀県税制審議会で、三日月大造知事が「みんなの移動を支え、暮らしを豊かにする新たな税のふさわしい制度について」とする諮問を行い、県の担当課が県の「地域交通の将来デザイン」が実現した場合の効果試算と公費負担額の概算、新たな税の制度設計の方向性と論点を委員らに示した。
同審議会で県は、県が目指す「移動手段の充実による『より良い暮らし』の実現」のための同デザインが実現した場合、地域交通の利便性向上や交通混雑の緩和、環境負荷軽減、健康増進に加え、県民の送迎時間減少による可処分時間の増加や自家用車所有台数減少に伴う可処分所得の増加、企業のコスト削減や広域からの通勤者、観光訪問客の確保につながると説明した。
一方、30年度に現在のサービスレベルの維持に必要な公費負担は59・8億円、目指す暮らしの実現にはコミュニティバス・デマンド交通の高度化・再構築(26・1億円)、バスやタクシーなどの運賃支援施策(17・4億円)など追加で合計53億円が必要とし、前者は現行の税収を基盤とした財源で実施、後者は新たな税の使途としても検討する考え方を示した。また、後者のうち、県負担分額は24・7~43億円、市町負担分額は1・1~13・9億円、国負担額は8・9~21・7億円と試算し、県の財源は個人・法人からの県税の標準税率に上乗せする超過課税を基本として検討したい旨を説明した。
委員らからは「すでに琵琶湖森林づくり県民税など超過課税を実施しているうえでの新たな超過課税は県民への負担感が増すのではないか。議論が必要だ」、「維持と充実の違いのイメージがしにくい」、「均等割りで財源を集めるのは難しいのではないか」といった意見が挙がった。
審議会終了後、三日月知事は記者団の取材に対し「計画策定後、すぐに来年度から新税導入とはならないが、審議会の意見も踏まえ、新たな負担の必要性についてもう一回考え、分かりやすくイメージできるように示したい」と述べた。
また、現在開会中の11月県会で一部の県議からは「議会で十分な議論を経ずに全国初の交通税導入とだけ、先行報道されるはいかがなものか」と懸念する声も挙がっている。






