食肉公社勝訴、副生物組合敗訴
【全県】 大津地方裁判所彦根支部は11月28日、原告・県副生物協同組合の請求を棄却し、副生物組合は、公益財団法人滋賀食肉公社に対し、猶予期間の未払金の総額3498万円と損害金538万円の計4037万円を支払え▽滋賀食肉センター(近江八幡市)で使用している建物部分を食肉公社に明け渡せ―などの判決を言い渡した。このため敗訴した副生物組合は12月15日、判決を不服として大阪高等裁判所に控訴した。現在、行われている牛の内臓処理が今後どう維持されていくのか―、近江牛振興は大きな岐路に立っている。(石川政実)
「契約は、委託契約でなく賃貸借契約」と
副生物組合が今月15日に控訴
県主導で2007年に開設された滋賀食肉センターでは、食肉公社(東勝理事長・副知事)がセンターの管理運営(施設使用料の徴収)、(株)滋賀食肉市場がセンターで牛のと畜解体(公社に施設使用料を支払う)、副生物組合が内臓処理(同)―を行っている。
しかし、食肉センター開設当初から、県のと畜計画の見込み違いにより、食肉市場と副生物組合の経営悪化を招き、両者の施設使用料の未払い額も膨れ上がった。
やむなく公社は07年度から16年度までの期間、施設使用料の支払いを猶予することになった。
しかし食肉公社は20年12月、副生物組合に対し、21年4月からの同センター施設使用契約書の契約更新拒否を一方的に通知した。このため副生物組合は21年2月、食肉公社に対し「契約は賃貸借契約で、更新拒否は認められない」と大津地方裁判所彦根支部に提訴した。
食肉公社は、逆に副生物組合に対し「施設使用料の未払金を支払え」と同彦根支部に訴えを起こした。
大津地裁彦根支部は今年11月28日、副生物組合に対し、未払いになっている猶予総額4037万円(元金残高3498万円プラス損害金538万円)の食肉公社への支払いと、使用している建物占有部分の明け渡しを命じた。
食肉公社の小川一記専務理事は「11月28日に大津地裁彦根支部において、食肉公社と副生物組合との間の訴訟に係る第1審判決が言い渡され、当公社の主張が概ね認められる結果となった。今回の判決により、これまで公社が副生物組合に求めてきた、未払い使用料等の支払いや建物占有部分の明け渡しの正当性が司法の場で認められたものと認識している。今後も、食肉供給の安定化、安全・安心な食肉の提供、そして畜産振興への貢献に全力を尽くしていく所存であり、引き続きの理解と支援をお願いする」と述べた。
敗訴した副生物組合の刀根章理事長は「判決は極めて遺憾だ。公社は副生物組合との契約を業務委託契約と主張してきたが、大津地裁も同様の判決になった。だが内臓の処理加工賃は、当組合が決定し、加工賃も組合が徴収してきた。これらの実態からも、公社とは業務委託契約でなく、賃貸借契約であることは明白だ。また、食肉センターの開設当時から、県は牛の年間と畜頭数を1万2千頭に設定してきたが、実際は8千頭程度にとどまり、公社は07年度~16年度まで食肉市場と副生物組合に対し施設使用料の猶予期間を設けざるを得なかった。副生物組合の猶予期間の未払金額は3498万円で、損害金などを加えた猶予金総額は4037万円になるが、大津地裁は副生物組合にこの支払いを命じた。しかし、未払金の主な原因は県のと畜計画の誤りにあり、判決は納得いかない」とし、副生物組合は今月15日、大阪高等裁判所に控訴した。
今後、副生物組合が担ってきた内臓処理業務や、従業員がどうなるのか、控訴の行方が注目される。







