東近江市森の文化推進条例が4月から施行
【東近江】 東近江市森の文化推進条例が4月1日から施行された。愛知川源流域を「森の文化フィールドミュージアム」に位置付け、森林環境だけでなく歴史文化にも着目した、国内初で先進的な取り組みが本格化する。愛知川の源流から河口までを抱える同市ならではの施策だ。市域の約56%を覆う森林は「緑の資産」だが、戦後、資源として見向きされなくなった結果、山林は崩壊し、災害時には牙をむく。そこで、森林環境や歴史文化の継承、森と人が共生する社会の再構築に向けて、どう取り組むのか取材した。(高山周治)
鈴鹿山脈の東近江市側は、日本海側気候と太平洋側気候の影響を受け、多様な地質が分布し、豊かな生態系を育む地域で、木地師や政所茶などの「森の文化」を育んできた。
「森の文化フィールドミュージアム」に定める区域は、森の文化が集中して残る永源寺ダムより上流の愛知川源流域を中心にした3800ヘクタール。
条例で掲げる事業は、▽森林保全と活用、▽森の文化の継承と活用、▽鈴鹿山脈から琵琶湖までの森里川湖のつながりを生かす取り組み、▽調査研究と資料などの収集保存と活用、▽人材育成―など。
現状の取り組みでは、自然や歴史民俗分野などの調査を継続し、その成果を市民に知ってもらうため、動植物の観察会・ツアー、木地師資料調査の成果報告などを昨年度から実施している。
さらに地域の団体と連携して学習プログラムの構築を昨年度から進めており、今年度はエコツアーを試行する。
研究機関との連携については、龍谷大学が来年度新設の「環境サステナビリティ学部(仮称)」で、同ミュージアムを研究フィールドにすると表明している。
また、同市は今年度、フィールドミュージアムの活動拠点として、1950万円をかけて、木地師やまの子の家(蛭谷町)の改修・解体の設計に着手する。
小椋正清市長は「東近江市は、自然と歴史文化の両面をあわせもち、かつ長い歴史を誇る木地師文化に象徴される森の文化が形成されている。その特徴をあわせて発信したい」(3月議会)と意欲を語っている。






