見通しよくても事故多発
人権意識高める
8年間越しの”熱意”一冊に
=農耕信仰知る上で貴重=
滋賀報知新聞(ニュース)平成12年3月6日(月)第12172号
もうひとつのファイバーアート
鈴木まもる「鳥たちの造形」展
=11日から 県立八日市文芸会館=
(湖東・八日市市)
県立八日市文化芸術会館では、十一日から静岡県在住の画家鈴木まもる氏による鳥の巣コレクション展「鳥たちの造形~もうひとつのファイバーアート」を開催する。同館が一九八三年から隔年で催している「美術」というカテゴリーを超えた『滋賀・明日の美術展』シリーズ。
鈴木まもる氏は、田舎住まいの暮らしの中で鳥の巣と出会い、その造形の不思議さ、美しさに心をうたれ、十年余りにわたって国内外の置き捨てられた巣を収集。鳥の巣コレクションとして各地で展覧会を催し、人気を集めている。
今展では、その類いまれともいえるコレクションの中から、ハタオリドリ、キムネコウヨウジャクなど外国のものを含む約百五十点の巣と、巣をモチーフにした絵画約五十点とを併せて紹介。鳥たちが本能のままに形づくり、生態を反映した機能的な形態や巣の素材は、自然愛好家にとって興味深いことはもちろん、大自然が生み出したファイバーワークとして多くの美術家や造形家の心を動かす。
入場は無料。会期は二十日までで、十三日のみ休館。問い合わせは同館(TEL0748-23-6862)へ。
見通しよくても事故多発
注意 非市街地の交差点
=八日市署管内300個所に看板設置=
(湖東・広域)
八日市署と八日市交通安全協会、八日市市、五個荘町、能登川町、永源寺町は、管内での非市街地の交差点事故多発に歯止めをかけるため、注意看板を設置してドライバーに安全運転を呼びかけている。
昨年管内で発生した交通事故のうち、交差点での事故が五四・八パーセントと半数以上を占め、県下ワースト3の結果を記録。しかも、市街地ではなく、見通しのよい非市街地の交差点で、交差点の存在や一時停止標識に気付かずに進行して発生する事故が多いのが特徴となっており、田んぼの中の交差点で二件の死亡事故も発生した。
このため、交差点を早く認識してもらおうと、農道など非市街地の見通しの良い交差点を重点に、「危険 一時停止 左右確認」「危険 この先交差点 事故多発」「危険 スピード 落とせ」と書かれた三種類の看板三百枚(大きさは縦一八○センチ・横四五センチ、縦一五○センチ・横三○センチの二種類)を設置。特に、これからは春の農繁期を迎えることから、看板の効果に期待が寄せられている。
人権意識高める
入賞作品
=アピアに展示=
(湖東・八日市市)
八日市市教育委員会は、人権意識を高める標語・詩・作文・ポスターの入賞作品を決めた。同和問題をはじめあらゆる差別をなくし、一人ひとりの人権が尊重される家庭や地域、社会を築くことを目的に広く市民から募集していた。
標語には二千八百五十五点、詩に百十点、作文六百三点、ポスター千二百三点の応募があり、このほど同和教育問題検討委員会(古市昭委員長ら十七人)が審査を行った。
入賞作品は、十三日まで駅前アピア四階の情報プラザに展示され、一般に啓発するとともに十二日午前十一時からアピアホールで表彰式を行う。優秀作品は次のみなさん。
○標語の部○
【小学生】 小河原明(八日市南五年)「思いやり人と人とをつなぐはし」
【中学生】北岸直子(聖徳三年)「見逃すな大切な友のシグナルを」
【一般】安井弘信(布施町)「人権は未来を築く道しるべ」
○詩の部○
【小学生】小林和紗(八日市北五年)「人」
【一般】初田佳世子(滋賀学園高一年)「手をつなごう」
○作文の部○
【小学生】落合祐(八日市北四年)「不自由なくらし」
【一般】平野真吏亜(滋賀学園高二年)「私の生きる道」
○ポスターの部○
【小学生】田原佳奈(玉緒三年)「みんななかよし!みんなえがお!」
【中学生】西村晶彦(聖徳一年)「差別!ぶっとばせ」
8年間越しの”熱意”一冊に
『ふるさと小幡史』発刊
=五個荘町小幡区民有志ら=
(湖東・五個荘町)
近江商人発祥の地として知られる五個荘町。なかでも伊勢路・若狭路の両ルートを兼ねる唯一の商人団として活躍した小幡商人の町・小幡区の区民有志らが、このほど同区の歴史をまとめた郷土史「ふるさと小幡史」(B5判、全四百五十ページ)を発刊した。
取り組み始めたのは八年前の平成四年。区役員が昭和生まれに変わったことをきっかけに「豊かな歴史と文化を持ちながら、同区にはこれらを記した文献や資料が何一つ残っていないうえ、今となっては過去を語れる人も少ない。区の未来のためにも歴史を語り継ぐ資料が必要」と歴代区長や区役員ら約三十人が立ち上がり、編集準備委員会を結成した。
ノウハウは同様に住民手作りの郷土誌を発刊している甲賀町小佐治に学び、情報は滋賀大学資料館に残るわずかな区有の古文書と区民から提供される資料を頼りに収集。予想を上回る膨大な原稿量に出版費用の壁が大きく立ちはだかったものの、幸いにも平成十年・十一年度の県の『創意と工夫の郷づくり事業』に選定され補助金の交付が決定。八年越しでようやく発刊にこぎ着けた。
発案時から変わらず編集委員長を務め上げた大幡融恵さん(73)は「もちろん補助金だけでは賄えず、区民に協力してもらったからこそできたこと。この本をきっかけに、区民の郷土愛がさらに深まり、また、今後の町の教育資料として活用してもらえれば」と完成した本を手に喜びを語っていた。
内容は『地理的環境』『歴史』『信仰と祭礼』『生業と暮らし』『公共施設等』『災害と戦争』『人物』の全七章で構成し、写真やさし絵も多数掲載。古代・中世から近代までの小幡区の発展を知る唯一の一冊といえる。
発刊部数は五百部で、同字の全戸および町内各施設などに配布したほか、残る百部程度を希望者に有償で提供している。価格は一部三千円。希望者は町歴史民俗資料館・坪田さん(TEL0748-48-2602)へ。
日野町 春祭り彩るホイノボリ
県無形民俗文化財に
=農耕信仰知る上で貴重=
(湖東・日野町)
日野町の春祭りを彩る独特の幟(のぼり)・「ホイノボリ」が、このほど県指定文化財に指定された。境内に立てて豊作を願うホイノボリは、かつて農村で広く見られたが、今では同町内の七カ所しか残っていない。
枝垂れ桜に模したホイノボリは、白や薄桃色の造花で飾った竹ヒゴを、幟(のぼり)の先端につけたもの。同町では竹ヒゴのことを「ホイ」と呼ぶため、「ホイノボリ」と称するようになったといわれる。先には稲の神を招く御幣(ごへい)が立てられ、春祭りには欠かせないものとして、氏子の間で受け継がれてきた。
ホイノボリを使う春祭りの規模は、それぞれ二~三集落単位で、日野川とその支流の周辺地域に集中する。このことから、昔から農業用水を共有した地区が集まって、田植え前に神の降臨を願うため行ってきた考えられる。
最も多いホイノボリが持ち寄られるのは、日枝神社(大窪)の「南山王祭り」の二十二本。華やいだ境内では神事が行われるほか、地域の住民が酒を酌み交す春らしい光景が繰り広げられる。






