東京商工リサーチ調べ
◇全県
東京商工リサーチはこのほど、七月の全国企業倒産を発表した。それによると、件数は一千三百八十六件(前年同月比一・〇%増)と二か月連続で前年同月を上回った。
また、今年に入り、三月、六月に次いで三番目の水準だった。また負債総額は今年最少の三千七百十億百万円(同四四・二%減)と大幅に減少、四か月連続で前年同月を下回った。
上場企業の倒産は一~三月十四件、四~六月四件と落ち着き、七月はついに発生がなく、平成二十年二月からの十七か月連続でストップした。負債百億円以上の大型倒産は、四月十一件、五月七件、六月八件、七月四件と減少した。
これは「景気底打ち」に伴う業績回復というより、政府主導で進めた日本銀行、日本政策投資銀行による資金環境の改善策が一定の効果を生んだ結果とみられる。七月は負債十億円以上が六十四件と前年同月比一五・七%減少の一方、同一億円未満は九百十二件と同八・八%増加し、中小・零細規模の倒産が増勢の兆しをみせている。
平成二十年十月にスタートした「緊急保証制度」は、保証承諾件数六十五万四千三百二十六件、保証金額は累計十二兆八千四百五十六億円(七月三十一日現在)に達している。
大手企業に比べ業績回復が遅れる中小・零細企業にとって、「緊急保証」は干天の慈雨である。だが、業績回復を伴わない“資金補填”は一時しのぎに過ぎず、借入返済の据え置き中に資金繰りが窮屈になる企業の増加が懸念される。
七月度のメーカー減産関連による倒産は十一件(判明分、平成二十一年一~七月累計百八十四件)にとどまった。うち、自動車を除くメーカー減産六件(同八十三件)、自動車関連五件(同百一件)。しかし、原材料高騰倒産二十二件(同二百六件)、原油高騰時に体力を疲弊した倒産も十三件(同百五十件)と、コストアップが中小企業へ打撃を与えていることを示している。
同社では「中小企業の資金繰りは景気転換期に需給ギャップが拡大する。景気の先行指数に明るさが出てきた時期こそ要注意である。秋口以降の企業倒産は、上場企業などの大型倒産は散発にとどまるが、中小・零細企業の“小口増加”基調で年末に向けて増勢をたどる可能性が強まっている」としている。





