管理技術水準の維持を不安視「琵琶湖保全強めるべき」との声も
◇全県
県行政経営改革委員会が八月二十一日、県下水道公社(草津市)など県の四つの外郭団体や滋賀会館(大津市)など七公共施設の廃止を盛り込んだ提言書を嘉田由紀子知事に提出した。県はこの提言を受け、近く外郭団体や県の施設等の見直し計画を公表する。琵琶湖の水質改善の要(かなめ)である県下水公社を廃止については、県の環境行政が問われている。【石川政実】
県琵琶湖環境部は九月、提言に呼応して、全域の下水道の管理業務を行っている県下水道公社を廃止して維持管理を県直轄にし、維持管理は包括的民間委託(注参照)などを活用する方針を打ち出した。
ちなみに県内の下水道の普及率は、三月末で八四・七%に達している。昨年度末の処理量は一日平均三十六万三千立方メートルで、二十四市町に及ぶ。
また滋賀県の処理水準は、全国トップを誇る。窒素、リンの高度処理導入割合は八三%で、二位である大阪府の四八・七%を大きく引き離している。これを支えているのが、県から流域下水道の施設運営や修繕などの維持管理の業務委託を受けている県下水道公社である。同公社採用の専門職員などが維持管理を長年担い 、高い技術水準を保ってきたからだ。
同公社の伊藤潔理事長は「公社を廃止した場合、包括的民間委託に全面移行すれば技術水準を保てるかが問われてくる。また同委託になると、複数年契約となって企業の裁量権が大きくなり、充分な履行確認が必要になる」と主張する。
一方、流域下水道を利用する二十四市町は、県に対し維持管理費として七十二億四千万円(九月補正後)を支出。県は市町負担金などを、公社に委託する形で維持管理に充てている。
負担金を支払っている山仲善彰・野洲市長は「公社を廃止することによる維持管理の技術面の課題を解消するには、例えば上水道の事業を行っている企業庁に公社を吸収させ、欧米のように上水、下水を一体的に管理する方法も検討すべき」と指摘する。
厳しい財源不足の中にあっても、民間丸投げでなく、琵琶湖の水質保全の視点で、下水処理管理を強めるべきとの議論も活発化しそうだ。
(注)包括的民間委託=民間事業者が施設を適切に運転し、一定の性能を発揮することができるのであれば、施設の運転方法については民間事業者の自由裁量に任せるという委託方法






