乳幼児医療無料化に大打撃 市町、国保料(税)値上げに二の足
◇全県
県は厳しい財源不足が見込まれる来年度の予算編成にあたり、各市町に対して、今年度より補助金を約十億円削減する方針を打ち出したが、市町側は「嘉田由紀子知事はマニフェスト違反」と反発を強めている。とくに猛反発しているのが国民健康保険の国庫補助減額分を補填(ほてん)する補助金一億四千八百万円の廃止である。 【石川政実】
国民健康保険は、国や自治体の負担金と保険料(税)で運営されている。県は、独自で福祉医療助成制度を設け、例えば乳幼児の医療費無料化(就学前まで)などを進めてきた。
このような地方自治体の独自の福祉医療助成制度に対して、国は医療費を増大させるとして増額分の負担金についてはペナルティーを課して支払わない措置をとっている。この減額分をこれまで県と市町が二分の一ずつ負担してきた。
ところが県は十月十四日、県内二十六市町の首長や幹部を集めた市町長会議で、来年度も福祉医療助成制度の事業費は継続するものの、国民健康保険の補助金については廃止したいと理解を求めた。 しかし、各市町の首長は、「事前に十分な協議がなく一方的」と一斉に反発。
各首長からは「県が補助金を廃止した場合、いまの福祉医療制度を続けようとすれば、市町が一般会計で県の補助金分を負担するか、保険料(税)を値上げするかしかない。最悪のケースでは、乳幼児医療費の無料化を廃止せざるをえない市町も出てくる。これは嘉田知事のマニフェスト違反だ」などといった厳しい意見が相次いだ。
さらに県内十三市でつくる県都市保険年金連絡協議会(会長=橋川渉・草津市長)も同三十日、県に補助金の継続を要望した。
長浜市の藤田正雄・保険医療課長は「県が廃止する補助金約一千百万円を市がかぶることになるが、保険料はすでに昨年六月一五%、今年六月一〇%と引き上げているだけに、一般会計から繰り入れる以外にない」と頭を抱える。
栗東市の田中善行・福祉保険課長も「県には怒っている。県が一方的に補助金を打ち切ることで、その分を市が補填しようとすると、国保税を値上げすることも考えられるが、被保険者に負担してもらうのは筋違いだ。国は一般会計からの支出は好ましくないとの見解だけに、県は継続して責任を果たすべき」と憤っていた。
県では、十月十四日の市町長会議以降も、各部局ごとで市町の担当者を呼んで順次説明を行い、事業見直しのとりまとめを進めている。県はこれらのとりまとめを二十六日に開催される県議会の地方分権・行財政対策特別委員会で報告する予定だ。






